100.首里城
日本100名城基本情報
住所 | 沖縄県那覇市首里金城町1-2 |
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電話 | 098-886-2020 |
築城年 | 14世紀末頃 |
営業情報
開館時間 | 8:00~19:00(4~6月・10~11月)、8:00~20:00(7~9月)、8:30~18:00(12~3月) |
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入場料 | 大人400円、高校生300円、小・中学生160円 |
休館日 | 7月第1水曜日とその翌日 |
1. 首里城の概要と現在の状況
首里城(しゅりじょう)は沖縄県那覇市にある琉球王国の王城跡で、1429年から1879年まで約450年間にわたり琉球王国の政治・外交・文化の中心として栄えました。標高約130メートルの丘陵地に築かれた東西約400メートル、南北200メートルの規模を誇る城郭です。2019年10月31日の火災により正殿など主要建物が焼失しましたが、現在は「見せる復興」をテーマに復元過程を公開しており、2026年秋の正殿復元完成を目指しています。日本100名城の第100番として登録されています。
2. 琉球王国の歴史と首里城の役割
首里城の創建は14世紀末頃とされ、1406年に尚巴志が三山統一後の琉球王国の居城として確立しました。中国、日本、朝鮮、東南アジア諸国との外交・貿易の拠点として機能し、琉球独特の文化が花開いた舞台でもありました。第二尚氏の尚真王らによって拡張・整備され、明治時代の1879年に最後の国王・尚泰が明治政府に明け渡すまで、琉球王国の司令塔としての役割を果たしました。華麗な王朝文化に彩られた空間は、まさに琉球王国の歴史そのものを物語っています。
3. 数度の焼失と復元の歴史
首里城は長い歴史の中で数度の焼失と再建を繰り返してきました。1453年の志魯・布里の乱、1660年、1709年の火災などで正殿を含む建物群が焼失し、その度に再建されました。1945年の沖縄戦では米軍の攻撃により完全に破壊され、戦後は琉球大学のキャンパスとして利用されました。1992年に沖縄本土復帰20周年を記念して正殿など主要建物が復元され、2019年10月31日に再び火災で焼失しましたが、現在復興事業が進行中です。
4. 世界遺産としての価値と登録
首里城跡は2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界文化遺産に登録されました。中国と日本の築城文化を融合した独特の建築様式や石積み技術に高い文化的・歴史的価値があるとされています。ただし、復元された建物は世界遺産の対象外で、遺跡としての首里城跡が評価されています。周辺の玉陵、園比屋武御嶽石門も同じく世界遺産に含まれ、琉球王国の文化的遺産群として保護されています。
5. 独特の建築様式と正殿の特徴
首里城の最大の特徴は、中国と日本の建築文化を融合した独特の様式にあります。正殿は琉球王国最大の建造物で、鮮やかな朱色(弁柄色)に彩られた外観が印象的です。1階は儀式の場、2階は国王の居住空間、3階は宝物庫として使用されていました。屋根には中国風の装飾が施され、内部には琉球漆器や織物などの華麗な装飾品が配置されていました。現在は復元工事中ですが、巨大な素屋根の中で復元作業の様子を見学することができます。
6. 城郭構造と主要な門
首里城は内郭と外郭で構成される複雑な構造を持ちます。正門である歓会門から始まり、瑞泉門、漏刻門、広福門、奉神門と続く一連の門は、それぞれ異なる意味と役割を持っていました。歓会門は「歓迎の心で客人を迎える」という意味があり、各門は琉球石灰岩の切石で築かれた美しいアーチ構造となっています。城壁の総延長は約1,080メートル、高さは6~15メートル、厚さは約3メートルに及び、地形を巧みに活用した堅固な防御システムを形成していました。
7. 守礼門と周辺の文化財
首里城のシンボルとして親しまれている守礼門は、尚清王時代(1527~1555年)に創建された美しい門です。扁額の「守禮之邦」は「琉球は礼節を重んずる国である」という意味を表しています。首里城公園内には他にも園比屋武御嶽石門、円覚寺跡、龍潭、弁財天堂など多くの文化財が点在しています。これらの文化財は琉球王国時代の文化や宗教観を今に伝える貴重な遺産として保護されています。
8. 現在の見学と復興展示
火災後の首里城では「見せる復興」をコンセプトに、復元過程を一般公開しています。復興展示室では火災の記録や復元計画、焼失前の正殿の様子などを展示しており、木材倉庫では正殿復元に使用する木材の加工作業を見学できます。有料区域では世誇殿、奉神門、南殿・番所、書院・鎖之間などが見学可能で、無料区域では守礼門や各種文化財を自由に散策できます。系図座・用物座では琉球菓子とさんぴん茶の呈茶サービスも楽しめます。
9. 御城印と100名城スタンプ
首里城では多彩な御城印を販売しており、正殿デザイン、守礼門デザインなど複数の種類があります。特に紅型で手染めされた特別版や切り絵御城印、クリア御城印など、他では手に入らない限定品も人気です。売上の一部は首里城基金に寄付され、復興に役立てられています。日本100名城スタンプは首里杜館と首里城公園管理センターの2か所で押印でき、営業時間内であればいつでも利用可能です。火災後も継続してスタンプサービスを提供しています。
10. アクセスと今後の復興計画
首里城へのアクセスは、沖縄都市モノレール「ゆいレール」首里駅から徒歩約15分、または各種バス路線を利用できます。首里城下町線8番なら首里城前バス停で下車後徒歩1分と非常に便利です。駐車場も完備されていますが、観光シーズンは混雑するため公共交通機関の利用が推奨されます。復興計画では2026年秋に正殿の復元が完了予定で、その後南殿、北殿、黄金御殿などの復元も順次進められます。復興完了まで首里城は沖縄の復興のシンボルとして、多くの人々に希望と感動を与え続けています。
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御城印情報

300円(守礼門デザイン)
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スタンプ情報

首里城公園管理センター