89.佐賀城
日本100名城基本情報
住所 | 〒840-0041 佐賀県佐賀市城内2丁目18-1 |
---|---|
電話 | 0952-41-7550(佐賀城本丸歴史館) |
築城年 | 1611年(慶長16年) |
営業情報
開館時間 | 9:30~18:00 |
---|---|
入場料 | 無料(募金制) |
休館日 | 12月29日~1月1日※その他臨時休館日あり |
1. 佐賀城の歴史と概要
佐賀城は1611年(慶長16年)に鍋島直茂・勝茂親子によって完成した平城で、もともと戦国大名龍造寺氏の居城であった村中城を大幅に拡張・改修したものです。鍋島36万石の居城として江戸時代を通じて佐賀藩の政治の中心となり、輪郭梯郭複合式の縄張りで構築されました。幅50m以上の堀を巡らし、巨大な五重天守が建てられていた壮大な城郭でした。
2. 築城の経緯と龍造寺氏からの継承
佐賀城の前身である村中城は、肥前の戦国大名龍造寺氏が代々居城としていました。1584年の沖田畷の戦いで龍造寺隆信が戦死すると、家臣の鍋島直茂が実権を握り、息子の勝茂とともに城の大規模な改修・拡張を実施。慶長期の築城技術を駆使して現在の佐賀城の姿に生まれ変わらせ、鍋島氏の新たな拠点として確立しました。
3. 城郭の構造と「沈み城」の別名
佐賀城は平坦な土地に築かれた平城で、本丸は東西約126m、南北約122mの規模を持っていました。城の最大の特徴は幅50m以上もある広大な堀で、石垣ではなく土塁で築かれています。平地にあるため城内が見えないよう土塁には松や楠が植えられ、城が樹木に沈み込んで見えることから「沈み城」と呼ばれました。また幾重もの外堀を巡らし、攻撃時には多布施川から水を引き込んで敵の侵攻を防ぐ仕組みも備えていました。
4. 現存する鯱の門と続櫓
現在の佐賀城で江戸時代の姿を残す貴重な建造物が、国の重要文化財に指定されている鯱の門と続櫓です。鯱の門は1838年(天保9年)に本丸出入り口を固める門として再建されたもので、白壁に棟の両端に名前の由来である青銅製の鯱が据えられています。1874年の佐賀の乱の際には多くの建物が失われましたが、この門は奇跡的に消失を免れ、当時の弾痕が今も生々しく残り、激しい戦いの様子を物語っています。
5. 佐賀城本丸歴史館の復元建物
2004年に完成した佐賀城本丸歴史館は、1838年に佐賀藩10代藩主鍋島直正が再建した本丸御殿の一部を木造で復元した施設です。本丸御殿の復元としては日本初の試みで、2,500平方メートルの規模を誇ります。館内には45mに及ぶ畳敷きの廊下や、佐賀藩の公式行事が行われていた320畳の大広間(外御書院)があり、江戸時代の藩政の中心地の雰囲気を体感できます。
6. 幕末維新期の佐賀藩の先進性
佐賀城本丸歴史館では「幕末維新期の佐賀」をテーマに、時代を先導した佐賀藩の歴史を紹介しています。10代藩主鍋島直正のもとで行われた藩政改革や近代科学技術の導入、反射炉による大砲製造など、佐賀藩が日本の近代化に果たした役割を詳しく学ぶことができます。大隈重信、江藤新平、佐野常民など、幕末明治期に活躍した佐賀出身の偉人たちの業績も展示されています。
7. 佐賀の乱と城の変遷
1874年(明治7年)に江藤新平を中心とした佐賀の乱が勃発し、佐賀城は一時反乱軍に占拠されました。この戦闘で鯱の門と続櫓、本丸御殿以外の全ての建物が失われ、城の景観は大きく変わりました。明治以降、城跡には学校や測候所、県庁などの公共施設が次々と建設され、本丸御殿も1957年まで県庁や学校として利用され続けました。このように佐賀城は江戸時代から近代まで、常に佐賀の政治・行政の中心地として機能してきました。
8. 佐賀城公園と周辺の文化施設
現在の佐賀城跡は佐賀城公園として整備され、三方を堀に囲まれた水と緑豊かな市民の憩いの場となっています。公園内には佐賀城本丸歴史館のほか、佐賀県立博物館・美術館、県立図書館、市村記念体育館などの文化施設が配置され、総合的な文化ゾーンを形成しています。堀には水鳥や鯉が泳ぎ、大小の噴水や芝生広場が整備され、桜やツツジ、蓮の花が季節の彩りを添える絶好の散策コースです。
9. 日本100名城スタンプと御城印
佐賀城は日本100名城の89番に選定されており、スタンプは佐賀城本丸歴史館の受付で押すことができます。また、2019年5月の令和改元とともに登場した御城印(城郭符)は、佐賀市出身の書家・江島史織さんが揮毫した力強い「佐賀城」の文字と、中央に佐賀藩主鍋島家の家紋「杏葉紋」がデザインされた美しい仕上がりです。価格は300円で、佐賀城本丸歴史館受付で購入できます。
10. アクセスと見学のポイント
佐賀城へのアクセスは、JR佐賀駅から佐賀市営バス「佐賀城跡行き」で約10分、「佐賀城跡」下車すぐです。車の場合は長崎自動車道佐賀・大和ICから約25分で、無料駐車場も完備されています。見学のポイントは、まず鯱の門で佐賀の乱の弾痕を確認し、本丸歴史館で幕末佐賀藩の先進性を学ぶこと。天守台からの眺望や、堀端に並ぶ樹齢300年超の大楠(県天然記念物)も必見です。入館は無料ですが、施設維持のための募金協力をお願いしています。
アクセスマップ
関連リンク
散歩記録

御城印情報

スタンプ情報
