95.岡城
日本100名城基本情報
住所 | 大分県竹田市大字竹田2889 |
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電話 | 0974-63-1541(岡城跡料金所) |
築城年 | 1185年(文治1年) |
営業情報
開館時間 | 9:00~17:00 |
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入場料 | 高校生以上300円、小・中学生150円 |
休館日 | 12月31日~1月3日 |
1. 築城の歴史と城主について
岡城は、文治元年(1185年)に地元の武将・緒方惟栄が源義経を迎え入れるために築城したと伝えられる山城です。その後、建武元年(1334年)に後醍醐天皇の命を受けた志賀貞朝が城を拡張し、戦国時代には志賀氏が城主として続きました。豊臣秀吉の九州平定後の文禄3年(1594年)、播州三木から中川秀成が4万石で入封し、岡藩の城として大規模な改修を行いました。中川氏は明治維新まで12代続き、岡城は岡藩の政治・文化の中心として栄えました。
2. 城の構造と特徴
岡城は、標高325mの天神山山頂を中心とした山城で、稲葉川と白滝川に挟まれた舌状台地に築かれています。東西約2.5km、南北362mに及ぶ広大な城域を持ち、本丸を中心として二の丸、三の丸、西の丸などの主要な曲輪から構成されています。最大の特徴は、阿蘇山噴火時の火砕流によって形成された石を使用した高石垣で、「切込接ぎ」や「打込接ぎ」などの技法が用いられています。川岸からそそり立つその姿は「難攻不落の天然の要塞」と称され、城の形が牛の寝ている姿に似ていることから別名「臥牛城」とも呼ばれています。
3. 瀧廉太郎と「荒城の月」
岡城は、作曲家・瀧廉太郎の名曲「荒城の月」のモチーフとなった城として全国的に知られています。瀧廉太郎は少年時代を竹田で過ごし、岡城で遊んだ体験から着想を得てこの名曲を作りました。城内の二の丸には朝倉文夫作の瀧廉太郎像が建立され、多くの観光客が訪れる記念スポットとなっています。「荒城の月」は日本の代表的な唱歌として親しまれ、岡城の知名度向上に大きく貢献しています。この歴史的エピソードは、岡城の文化的価値を高める重要な要素となっています。
4. 豊薩合戦と城の防御
天正14年(1586年)に起こった豊薩合戦では、島津氏の大軍が岡城を攻撃しましたが、当時の城主・志賀親次が見事に撃退しました。この戦いは岡城の堅固さを証明する歴史的な出来事として語り継がれています。岡城の防御システムは自然の地形を最大限に活用したもので、断崖絶壁の上に築かれた石垣と深い空堀が敵の侵入を阻みました。特に三の丸北側から二の丸にかけて続く石垣は、山々の中にそそり立つような壮大な景観を見せ、その防御力の高さを物語っています。
5. 現在の遺構と見どころ
現在の岡城跡には、明治の廃城令により建物は失われましたが、当時の石垣が良好な状態で保存されています。本丸跡からはくじゅう連山を一望でき、近戸門からは阿蘇山と城下町を見渡すことができます。三の丸の高石垣は特に見応えがあり、訪問者に強い印象を与えています。城内には多数の桜の木が植えられており、その美しさから「日本さくら名所100選」にも選定されています。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪化粧と四季折々の美しい景観を楽しむことができ、写真撮影スポットとしても人気があります。
6. 日本100名城としての価値
岡城は平成18年(2006年)に日本100名城の95番に選定され、その歴史的価値が認められました。100名城スタンプは岡城料金所で押すことができ、スタッフに申し出る必要があります。岡城は山城の代表例として、自然地形を巧みに利用した城郭の典型を示しており、城郭史研究においても重要な位置を占めています。国指定史跡としても昭和11年(1936年)に指定されており、文化財としての価値も高く評価されています。
7. 御城印と登城記念
岡城では複数種類の御城印が販売されており、基本版は300円で岡城料金所で購入できます。特別仕様の御城印や限定版なども発行されており、コレクターに人気があります。岡城年間城主パスポート購入者には特典として特別仕様の御城印が1枚プレゼントされます。御城印には中川氏の家紋や城の石垣がデザインされ、登城の記念品として多くの観光客に愛されています。販売場所である岡城料金所では、城に関する詳しい資料も入手することができます。
8. 岡城桜まつりと年間行事
毎年4月上旬には「岡城桜まつり」が開催され、雅な大名行列や甲冑武者行列が城下町を練り歩きます。このイベントは地域の伝統文化を継承する重要な行事として定着し、県内外から多くの観光客が訪れます。春の桜シーズンには城内がピンクに染まり、石垣と桜のコントラストが美しい景観を作り出します。また、年間を通じて石垣清掃ボランティア活動なども行われ、地域住民による城跡保全活動が活発に行われています。
9. アクセスと観光情報
岡城へのアクセスは、JR豊肥本線・豊後竹田駅から徒歩またはバスを利用します。「緒方・三重方面行」バスで5分、「岡城入口」バス停下車後、徒歩15分で料金所に到着します。料金所から城内の東中仕切までは登城バス(9人乗りハイエース)も運行されており、足の不自由な方でも安心して見学できます。入場料は高校生以上300円、小・中学生150円で、各種クレジットカードや電子マネー、QRコード決済も利用可能です。年間を通じて見学できますが、12月31日から1月3日は休城日となります。
10. 城下町と周辺観光
岡城の城下町には「武家屋敷通り」(通称「歴史の道」)があり、岡藩時代の武家屋敷が残されています。旧竹田荘では江戸時代の文人画家・田能村竹田の住まいを見学でき、2階からは城下町の美しい景色を望むことができます。瀧廉太郎記念館、キリシタン洞窟礼拝堂、歴史文化館由学館など、竹田市の歴史と文化を学べる施設も点在しています。また、竹田の名物である唐揚げを味わえる老舗店「竹田丸福」では、自社直営農場で育てた鶏を使った絶品唐揚げを堪能できます。
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