173.新高山城
続100名城基本情報
住所 | 広島県三原市本郷町本郷 |
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電話 | 0848-64-9234(三原市教育委員会文化課) |
築城年 | 建治2年(1276年)、拡張:天文21年(1552年) |
営業情報
開館時間 | 常時開放(山城) |
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入場料 | 無料 |
休館日 | なし |
1. 新高山城の概要と歴史的背景
新高山城は、広島県三原市本郷町に位置する標高197.6mの山城です。この城の歴史は建治2年(1276年)まで遡り、当初は小早川雅平によって高山城の副塁として築かれた砦でした。その後、沼田小早川家を継いだ小早川隆景が天文21年(1552年)に大規模な拡張工事を行い、慶長元年(1596年)に三原城へ移るまでの約45年間、小早川氏の本拠城として機能しました。
小早川隆景は毛利元就の三男として生まれ、沼田小早川家を継いで戦国時代の動乱を駆け抜けた名将です。永禄4年(1561年)3月には毛利元就と隆元がこの新高山城を訪れ、数日間滞在して連日饗応が行われたという記録が残っており、当時の城の重要性を物語っています。三原城築城の際には、新高山城の石垣が建築資材として持ち去られ、高山城とともに廃城となりました。
2. 城郭構造と遺構の特徴
新高山城は沼田川を挟んで高山城と向かい合う位置に築かれた梯郭式山城で、本丸を頂点とする複雑な縄張りを持っています。山頂部の本丸を中心に、北側一帯と西側の尾根上に多数の郭が展開し、南には匡真寺跡と呼ばれる郭、さらに南の頂上部に鐘の段と呼ばれる郭が存在します。本丸の北側にある釣井の段周辺には石垣がよく残存し、石積みの井戸が6つも発見されています。これは城主の隆景をはじめ多くの家臣団が居住していたことを示しており、山城としては珍しく大規模な居住機能を備えていました。また、匡真寺跡の南東に続く登城道には複数の番所跡が付随し、土塁を備えた防御機能も確認できます。
3. 国史跡指定と文化財としての価値
新高山城跡は国の史跡に指定されており、近世城郭へ移行前の戦国時代の城郭として遺構がよく残存している貴重な文化財です。各尾根にわたる大規模な郭群や石垣の遺構は、戦国時代の山城技術を研究する上で重要な資料となっています。特に注目すべきは、中世城郭から近世城郭への過渡期における技術的特徴を備えていることです。石垣の構築技術や縄張りの工夫は、小早川隆景の築城技術の高さを示すとともに、毛利氏の勢力拡大における拠点城郭の発展過程を物語っています。また、小早川家の菩提寺である匡真寺の跡も城内に残っており、城郭と宗教施設が一体となった戦国期の特徴を示しています。
4. アクセスと見学のポイント
新高山城へのアクセスはJR山陽本線本郷駅が最寄りで、駅から徒歩約25分で登山口に到着し、そこから山頂まで約30分の登山となります。登山道は整備されており、途中には番所跡や石垣などの遺構を見学しながら登城することができます。本丸からの眺望は素晴らしく、眼下に流れる沼田川と対岸の高山城、そして瀬戸内海まで一望できます。特に本丸奥からの景色は圧巻で、小早川隆景がこの地を本拠に選んだ理由がよく理解できます。城内には案内板が設置されており、主要な遺構には解説があるため、初心者でも楽しく見学することができます。
5. 続100名城スタンプと御城印
続日本100名城のスタンプは本郷生涯学習センター1階と本郷町観光協会の2か所に設置されています。御城印は本郷町観光協会で販売されており、通常版と季節版がそれぞれ300円で購入できます。通常版は小早川隆景の勇壮な筆致で「新高山城」と揮毫されており、季節版は四季折々の風情を表現した美しいデザインとなっています。また、通信販売も行っているため、遠方の方でも入手可能です。
アクセスマップ
関連リンク
散歩記録

御城印情報

スタンプ情報

本郷町観光協会