72.郡山城

72.郡山城

日本100名城

基本情報

住所 広島県安芸高田市吉田町吉田
電話 0826-42-0055(安芸高田市歴史民俗博物館)
築城年 15世紀中頃

営業情報

開館時間 【博物館】9:00~17:00(最終入館16:30)
【城跡】24時間
入場料 【博物館】一般300円、高・大学生200円、小・中学生150円
【城跡】無料
休館日 【博物館】毎週火曜日(祝日を除く)、祝休日の翌日、年末年始(12月29日~1月3日)

1. 郡山城の歴史と毛利氏の興隆

郡山城は南北朝時代、安芸国吉田庄の地頭として定着した毛利氏が一貫して本拠とした山城です。築城時期は不明ですが、15世紀中頃には郡山東南の一支尾根に小規模な山城として存在していました。城の飛躍的発展は毛利元就(1497~1571)の時代に起こりました。元就は大永3年(1523年)に毛利家の家督を相続すると、従来の本城から標高約390m、比高約200mの郡山全山へと城域を拡大。多くの合戦を経て毛利氏を一国人領主から中国地方の覇者へと導いた名将として、この城を拠点に勢力を拡大し続けました。天正19年(1591年)に孫の輝元が広島城に本拠を移すまでの約400年間、毛利氏の居城として機能しました。

2. 中国地方最大級の山城の構造

郡山城は東西約1.1km、南北約0.9kmという巨大な城域を誇り、中国地方最大級の山城として知られています。城の最大の特徴は、山頂の本丸を中心に放射状に延びる複数の尾根とその支尾根、さらにそれらに挟まれた谷部を巧みに利用した複雑な縄張りです。大小合わせて270以上の曲輪があり、各尾根がそれぞれ小城のような造りになっています。山頂の本丸は一辺約35mの方形で、北端には一段高くなった櫓台があります。この複雑な構造は他の国人領主の城とは大きく異なる特徴で、毛利氏の勢力拡大とともに段階的に整備されていった様子を現在も確認することができます。

3. 百万一心の逸話と築城の精神

郡山城には「百万一心」という有名な逸話が残されています。築城の際、元就は人柱の代わりに「百万一心」と刻んだ石を埋めたと伝えられており、これは「百万人が一つの心になって事に当たれば、何事も成し遂げられる」という意味を込めたものとされています。この石の所在は現在も定かではありませんが、元就の「三矢の訓」とともに毛利氏の結束を象徴する逸話として語り継がれています。実際に城内には「百万一心碑」が建立されており、元就の墓所とともに郡山城の重要な見どころの一つとなっています。この精神は現在の安芸高田市のまちづくりにも受け継がれています。

4. 戦国大名毛利氏の居住空間

郡山城は単なる軍事要塞ではなく、毛利氏一族と家臣団の居住空間としても機能していました。城内には大通院、洞春寺、常栄寺、満願寺などの寺院が建立され、宗教的な拠点としての役割も果たしていました。元就は「嶝(かさ)」と呼ばれた山頂で暮らし、城内には主要な家臣が配置されていました。城下には祇園縄手、家取縄手、たて縄手などの道路が整備され、三日市、六日市、十日市などの定期市が開かれ、商業都市としても発展しました。南側の麓には内堀が巡らされ、可愛川(江の川)と多治比川が天然の外堀の役割を果たしていました。

5. 毛利元就の墓所と洞春寺跡

郡山城の重要な見どころの一つが、山麓にある毛利元就の墓所です。洞春寺跡に位置するこの墓所は上下二段に分かれており、下段には明治期に造られた毛利氏歴代の墓所、上段に元就の墓所と百万一心碑があります。元就の墓所はさらに前域と後域に分かれ、前域には寄進を受けた燈籠が並び、後域に元就の遺灰が埋葬されている墓があります。毎年7月16日には墓前祭が行われ、多くの参拝者が訪れます。周辺には一族の墓所や三矢の訓の碑なども点在し、毛利氏の歴史を偲ぶ重要な史跡群を形成しています。元就の墓所からは郡山城の全容を見上げることができ、戦国の名将が眠る聖地として多くの歴史ファンが訪れています。

6. 安芸高田市歴史民俗博物館での学習

郡山城見学の拠点となるのが、城の麓にある安芸高田市歴史民俗博物館です。戦国大名毛利氏の本拠である郡山城に関する資料を中心に、安芸高田市の歴史・民俗を紹介しています。毛利元就コーナーでは関係資料や郡山城の模型、映像などで毛利氏の歴史を詳しく解説しており、登城前の予習に最適です。毛利元就書状などの古文書、寺社への奉納品、城からの出土遺物など貴重な資料が多数展示されています。特に毛利氏歴代当主の名が記される清神社棟札や、毛利輝元が関ヶ原合戦の勝利を祈願した絵馬は必見です。日本100名城スタンプもここで押すことができ、城跡散策の詳細な地図も入手できます。

7. 登城ルートと見どころ散策

郡山城は本格的な山城のため、登城には相応の準備と時間が必要です。博物館から本丸跡まで徒歩約45分とされていますが、体力に自信のない方はもう少し時間を見込んでおく必要があります。主要な見どころを「完全踏破」しようとすると4~5時間はかかります。登城ルートは複数ありますが、博物館から元就の墓所を経て本丸へ向かうルートが一般的です。途中、二の丸、三の丸、各曲輪跡を巡りながら山頂を目指します。山頂の本丸からは吉田盆地を一望でき、毛利氏が選んだ立地の素晴らしさを実感できます。下山時には尾崎丸や展望台なども併せて見学すると、郡山城の全体像をより深く理解することができます。

8. 発掘調査と新たな発見

郡山城では継続的な発掘調査が行われており、新たな発見が続いています。特に注目されるのは、郡山の西にある大通院谷遺跡での調査成果です。ここは旧石器時代から近代までの複合遺跡で、毛利氏時代の薬研堀や屋敷跡などが発見されています。薬研堀は谷から南西に向けて作られた内堀の起点となり、郡山南麓を回り込んで旧本城のあった東の尾根まで続いていました。これらの発見により、従来知られていた城域よりもさらに広範囲にわたって防御施設が整備されていたことが判明しています。現在も調査は継続されており、戦国大名毛利氏の権力構造や城下町の様子がより詳しく解明されることが期待されています。

9. アクセスと観光の注意点

郡山城へのアクセスは、広島バスセンターからバスで約1時間25分、安芸高田市役所前下車徒歩5分が便利です。車の場合は中国自動車道高田ICから約20分で、安芸高田市歴史民俗博物館に無料駐車場があります。JR芸備線向原駅からタクシーで約20分ですが、向原駅からのバスは日曜・祝日が運休で、平日・土曜日も便数が少ないため注意が必要です。登城の際は歩きやすい靴と十分な水分、時間の余裕を持参することが重要です。特に夏場は虫除けスプレーも必需品です。城跡にはトイレがないため、博物館で済ませてから登城することをお勧めします。

10. 現代に受け継がれる毛利氏の遺産

郡山城跡は1940年に国の史跡に指定され、1988年には多治比猿掛城跡を追加して「毛利氏城跡 多治比猿掛城跡 郡山城跡」として保護されています。2006年には日本100名城(72番)に選定され、全国の城郭ファンから注目を集めています。安芸高田市では毛利氏の遺産を活かした地域振興に取り組んでおり、毛利元就を題材とした様々なイベントや企画展が開催されています。「百万一心」の精神は現在も市のスローガンとして受け継がれ、市民の結束を象徴する言葉となっています。また、城跡周辺は桜の名所としても知られ、春には多くの花見客で賑わいます。戦国時代の面影を今に伝える貴重な史跡として、これからも大切に保存・活用されていくことでしょう。

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設置場所: 安芸高田市歴史民俗博物館
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