90.平戸城
日本100名城基本情報
住所 | 〒859-5121 長崎県平戸市岩の上町1458番地1 |
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電話 | 0950-22-2201 |
築城年 | 1707年(宝永4年) |
営業情報
開館時間 | 8:30~18:00(4月1日~9月30日) 8:30~17:00(10月1日~3月31日) |
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入場料 | 大人520円、高校生310円、中学生200円、小学生200円 |
休館日 | 12月30日~31日 |
1. 平戸城の歴史と概要
平戸城は長崎県平戸市にある平山城で、江戸時代には平戸藩松浦氏の居城でした。別名を亀岡城、亀甲城、日之嶽城と呼び、平戸瀬戸に突き出た丘陵上に築かれています。三方を海に囲まれて天然の堀とし、丘陵の頭頂部に本丸、その南側に二の丸、東側に三の丸が配された梯郭式の縄張りが特徴です。最初は安土桃山時代に築かれましたが破却され、江戸時代中期に再建された歴史を持ちます。
2. 築城の経緯と松浦氏の歴史
平戸城の築城は複雑な経緯を辿りました。1599年(慶長4年)、松浦家第26代鎮信(法印)が亀岡にはじめて日の岳城を築きましたが、豊臣秀吉との親交があった鎮信は徳川家康の嫌疑をはらすために自ら城を焼却し、平戸藩を守ることに成功します。その後90年間、松浦家は御館(現在の松浦史料博物館)で過ごしましたが、第29代鎮信(天祥)と第30代棟の尽力により1704年に城の再建が開始されました。
3. 山鹿流による特殊な築城技術
平戸城の再建にあたっては、儒学者・山鹿素行(1622-1685)の軍学に基づいた縄張りが採用されました。築城指導は山鹿義昌が行い、山鹿流軍学に基づく設計が施されています。これは平山城では唯一の山鹿流による城郭として非常に珍しく、平城である赤穂城と並んで山鹃流築城の貴重な実例とされています。5代藩主松浦棟によって1704年(元禄17年)2月に着工され、1707年(宝永4年)にほぼ完成しました。
4. 城郭の構造と特徴
平戸城は平戸港を見下ろし、対岸の九州本土を望む絶好の立地に築かれています。三方を海に囲まれているため天然の堀を形成し、海城としての性格を強く持っています。天守は建てられず、二の丸に建てられた3重3階の乾櫓がその代用とされていました。現在見る模擬天守は1962年(昭和37年)に復元されたもので、同時に見奏櫓、乾櫓、地蔵坂櫓、懐柔櫓も建設されました。現存する建物としては狸櫓と北虎口門(搦手門)があります。
5. 明治時代の廃城と戦後復元
1871年(明治4年)の廃藩置県後、廃城令により平戸城は廃城となり、翌年には狸櫓と北虎口門を残して城の建物は解体されました。戦後の1962年に平戸市によって模擬天守及び復興の櫓群が建てられ、観光拠点として再生されました。天守内は松浦党などの資料館となっており、国の重要文化財である環頭大刀(亀岡神社蔵)も展示されています。現在の城跡は亀岡神社の境内や亀岡公園となり、市民グラウンドなどの施設も設置されています。
6. 2021年リニューアルとAMUSEUM化
2019年10月から大規模改修工事のため休館していた平戸城は、2021年4月にリニューアルオープンしました。平成の大規模改修として外壁内壁の補修及び展示品の完全リニューアルが行われ、平戸の文化と歴史をしっかり楽しく学べる「AMUSEUM」として生まれ変わりました。デジタル映像で平戸の歴史や人物を紹介する2階、平戸藩主や築城を紹介する3階、平戸検定やデジタルアートを活用した体感型ルームの4階、平戸瀬戸を一望する展望所の5階と、各階にテーマが設けられています。
7. 天守閣からの絶景と展望体験
平戸城の最大の魅力は、最上階の展望所から望む360度のパノラマビューです。平戸瀬戸の美しい海景色、平戸大橋、平戸の街並み、対岸の九州本土まで一望でき、海城ならではの絶景を堪能できます。展望所では登城記念として遠隔写真撮影を楽しむことができ、美しい景色をバックに記念撮影が可能です。また遠景で見る平戸城も海に浮かぶ城として非常に美しく、多くの観光客が写真撮影スポットとして利用しています。
8. 懐柔櫓での宿泊体験
2019年、平戸市と日本航空、民泊会社などからなる共同企業体が平戸城懐柔櫓を改修し、宿泊施設として運営を行う事業協定を結びました。2021年4月1日から1日1組限定で宿泊が可能となり、お城に泊まるという特別な体験ができます。これは全国でも珍しい城郭での宿泊体験で、平戸の歴史と文化を肌で感じながら特別な夜を過ごすことができる贅沢なサービスです。
9. 日本100名城スタンプと御城印
平戸城は日本100名城の90番に選定されており、スタンプは平戸城天守閣受付窓口で押すことができます。2021年7月30日から販売が開始された御城印は、松浦家の家紋である梶の葉に堂々とした平戸城の文字がデザインされ、台紙は奉書紙を使用して高級感を演出しています。文字は文部科学大臣賞をはじめ書道日本一の賞を12回も受賞している樋口友紀(晟瑤)さんによる制作で、価格は350円です。同時に九州産ヒノキを使用した特別な御城印帳も販売されています。
10. アクセスと見学のポイント
平戸城へのアクセスは、JR佐世保駅から西肥バス平戸桟橋行きで約1時間30分、平戸桟橋から徒歩約15分です。車の場合は西九州自動車道佐世保大塔ICから約1時間で、有料駐車場が完備されています。見学のポイントは、まず天守閣でデジタルアートを活用した体感型展示を楽しみ、最上階の展望所で絶景を堪能すること。現存する狸櫓と北虎口門も必見で、山鹿流築城の特徴を感じることができます。営業時間は季節により異なるため、事前に確認してから訪問することをお勧めします。
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