87.名護屋城

87.名護屋城

日本100名城

基本情報

住所 佐賀県唐津市鎮西町名護屋1938-3
電話 0955-82-4905(佐賀県立名護屋城博物館)
築城年 1592年(文禄元年)

営業情報

開館時間 9:00-17:00(名護屋城博物館)
入場料 無料(博物館・城跡ともに)
休館日 月曜日・年末年始(博物館)

1. 豊臣秀吉の大陸進出拠点

名護屋城は、天下統一を果たした豊臣秀吉が大陸進出の野望を実現するため、文禄・慶長の役(1592-1598年)の前線基地として築いた巨大な城郭です。1592年(文禄元年)、秀吉は九州の諸大名に命じて波戸岬の丘陵地に突貫工事で築城を開始し、わずか5か月という短期間で完成させました。城域は約17万㎡に及び、当時は大坂城に次ぐ全国2番目の規模を誇りました。五重七階の天守をはじめ、豪華な御殿、茶室、能舞台まで備えた絢爛豪華な城で、朝鮮出兵の司令部として機能しました。

2. 全国の大名が結集した陣跡群

名護屋城の最大の特徴は、城を中心に半径3km圏内に150以上の陣跡が配置されていることです。全国から参集した大名たちは、徳川家康、前田利家、伊達政宗、島津義弘など錚々たる顔ぶれで、それぞれが競うように立派な陣屋を構築しました。現在でも118か所の陣跡が確認され、うち65か所に遺構が残る貴重な史跡群です。これは日本史上他に類を見ない大規模な軍事遺跡で、戦国時代末期の政治・軍事システムを具体的に知ることができる第一級の歴史資料となっています。

3. 一時の首都となった巨大城下町

名護屋城の建設により、かつて「あらゆる人手を欠いた荒れ地」だった名護屋には、全国から集まった武士と商人で人口20万人を超える巨大城下町が出現しました。これは当時の京都に匹敵する規模で、文禄・慶長の役の期間中、肥前名護屋は事実上の日本の政治・経済の中心となりました。大名たちは茶の湯や能などの芸能を競い合い、荘厳華麗な桃山文化が花開きました。また朝鮮半島から連れて来られた陶工たちが唐津焼や有田焼の基礎を築き、現在の九州陶磁器文化の礎が形成されました。

4. 現存する壮大な石垣と遺構

名護屋城の魅力は、400年以上経った現在でも本丸・二の丸・三の丸・山里曲輪などの縄張りと石垣が良好に保存されていることです。本丸には豊臣秀吉の御殿跡が平面表示され、五重七階天守があった天守台からは玄界灘や対馬を望むことができます。三の丸には桜並木が美しく、春の花見スポットとしても人気です。発掘調査では金箔瓦や礎石、玉石敷きなどが発見され、当時の豪華絢爛な建物の様子を偲ぶことができます。現在も継続的な発掘調査が行われ、新たな発見が続いています。

5. 山里丸と黄金の茶室

名護屋城の山里丸(現在の広沢寺周辺)は豊臣秀吉の居住空間で、茶室跡などの遺構が発見されています。秀吉は名護屋城で「黄金の茶室」と「草庵茶室」を使い分け、大名たちとの茶会を通じて政治的な結束を図りました。名護屋城博物館には黄金の茶室が復元展示されており(2025年3月まで工事中)、桃山時代の茶の湯文化の粋を体感できます。山里丸は秀吉が最も愛した空間とされ、朝鮮出兵という国家的事業を指揮した政治の舞台でもありました。

6. 廃城と石垣の破却

1598年の豊臣秀吉の死去とともに朝鮮出兵は終結し、名護屋城はその役割を終えました。江戸時代初期、城の用材は唐津城の築城に転用され、さらに1637年の島原の乱後には、一揆軍が廃城の原城を利用したことを教訓として、江戸幕府の命により石垣が破却されました。しかし幸いなことに石垣の基礎部分や土塁、曲輪の構造は良好に保存され、現在に至るまで往時の壮大な規模を実感することができます。大手門は伊達政宗に与えられ、仙台城に移築されたと伝承されています。

7. 佐賀県立名護屋城博物館と展示

名護屋城跡に隣接する佐賀県立名護屋城博物館(入館無料)は、名護屋城と文禄・慶長の役、日朝交流史をテーマとした専門博物館です。「肥前名護屋城図屏風」の展示やCGで復元したVR名護屋城アプリの体験ができ、400年前の名護屋城の姿を臨場感豊かに知ることができます。タブレットの無料貸し出しサービスもあり、現地で当時の建物や景観を重ね合わせて見学できます。2025年3月22日からは常設展示の一部がリニューアル公開され、より充実した内容となる予定です。

8. 日本100名城スタンプと城郭符

名護屋城は日本100名城の第87番に選定され、スタンプは佐賀県立名護屋城博物館で押印できます。同館では「城郭符」という名称で御城印に相当するものを販売しており、嬉野市の書家・織田独灯氏による揮毫で、城跡から出土した五七桐文飾瓦の拓本をもとにした五七桐紋がデザインされています。来館者のみの販売で通信販売は行っておらず、名護屋城を実際に訪れた記念として価値の高いアイテムです。オリジナル御城印帳も販売されています。

9. アクセス方法と周辺観光

名護屋城へは JR唐津駅から昭和バス「名護屋城博物館入口」下車徒歩約5分、または車で福岡方面から約90分、佐賀方面から約70分でアクセス可能です。無料駐車場完備で、博物館見学と城跡散策で半日程度を要します。周辺には呼子の朝市、呼子のイカ料理、玄界灘の絶景スポットなど魅力的な観光地が点在しており、名護屋城と合わせて唐津・呼子エリアを満喫できます。特に呼子のイカの活け造りは絶品で、名護屋城見学とセットで楽しまれることをおすすめします。

10. 見学のポイントと楽しみ方

名護屋城の見学は、まず博物館で予備知識を得てから城跡に向かうのがおすすめです。VRアプリをダウンロードして現地で体験すると、400年前の建物や城下町の様子を重ね合わせて見ることができます。本丸天守台からの眺望は絶景で、玄界灘に浮かぶ島々と、秀吉も見たであろう朝鮮半島方面の水平線を望めます。城跡の見学時間は30-40分程度、陣跡巡りを含めると一日コースです。春は桜、夏は新緑、秋は紅葉と四季折々の美しさも楽しめ、日本史上最大規模の出兵基地の壮大なスケールを体感できる貴重な史跡です。

アクセスマップ

散歩記録

散歩記録準備中

御城印情報

御城印画像
価格: 城郭符として販売(来館者のみ)
販売場所: 佐賀県立名護屋城博物館

スタンプ情報

スタンプ画像
設置場所: 佐賀県立名護屋城博物館
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