51.安土城

51.安土城

日本100名城

基本情報

住所 滋賀県近江八幡市安土町下豊浦
電話 0748-46-0596(摠見寺)
築城年 1576年(天正4年)

営業情報

開館時間 8:30~17:00(入場は16:00まで)
入場料 ●安土城跡入山料: 大人700円、小中高200円
●摠見寺特別拝観: 1,200円(日曜・祝日のみ、雨天中止)
休館日 年中無休

1. 安土城の歴史的意義

安土城は天正4年(1576)から織田信長が約3年の歳月をかけて築いた、日本の城郭史上画期的な城郭です。総奉行は丹羽長秀、普請奉行に木村高重、縄張奉行には羽柴秀吉があたり、当時の最高技術を結集して建設されました。この城は日本初の本格的な天主を持つ城として、後の近世城郭の原型となった革新的な建造物でした。地上6階地下1階建てで高さ約32メートルの天主は、各層が朱色・青色・白色に彩られ、最上層は金色という絢爛豪華な外観を誇っていました。

2. 築城の背景と立地

織田信長が安土城を築いた理由は、天下統一の拠点として理想的な立地にあったからです。琵琶湖東岸の標高199メートルの安土山は、尾張・岐阜・北陸・京都を結ぶ交通の要衝で、岐阜城より更に京都に近く、1日で上洛できる距離にありました。また琵琶湖の水運を管理し、明智光秀の坂本城や羽柴秀吉の長浜城と連携して近江国を統制する戦略的位置でもありました。当時の建築物では琵琶湖に直接面しており、大中湖からの物資輸送も可能でした。

3. 革新的な城郭構造

安土城は観音寺城の支城を拡張整備した総石垣造りの城で、近江穴太衆による高度な石垣技術が用いられました。野面積み・打込みハギ・算木積みを使い分け、桝形構造を多用した防御的な縄張りが特徴です。城の中心部へは大手道をはじめ、東門道・百々橋口道・搦手道など複数のルートが設けられ、山腹には前田利家・羽柴秀吉らの家臣団屋敷跡が配置されていました。天主台の礎石配置は中央部の1つだけが欠けており、仏教の宝塔があったと推測されています。

4. 天皇行幸のための本丸御殿

安土城本丸御殿は天皇を迎えるための特別な施設として建設されたと考えられています。礎石の間隔が7尺2寸(約2.2メートル)と通常の武家建築より長く、建物配置は「コ」の字型で京都御所の清涼殿と共通する構造でした。「信長公記」には「御幸の間」「皇居の間」の記載があり、菊の紋章がついた瓦も発掘されています。これらの証拠から、信長が天皇の安土行幸を企画していたことが裏付けられており、当時としては前例のない壮大な構想でした。

5. 摠見寺と宗教的側面

安土城内には織田信長自らが菩提寺として建立した摠見寺があります。臨済宗妙心寺派の寺院で、創建時には近江国内の寺社から二王門や三重塔などを移築しました。宣教師ルイス・フロイスの記述によると、信長が自らを神として万人から礼拝されることを希望して建てたとも言われ、天主内部の宝塔と併せて安土城の宗教的要素を物語っています。現在も国重要文化財の三重塔(1454年建立)と二王門(1571年建立)が当時の姿を伝えています。

6. 本能寺の変と安土城の焼失

安土城は完成から僅か3年後の天正10年(1582)6月、本能寺の変の直後に原因不明の火災により天主と本丸が焼失しました。信長の死後、明智光秀が安土城を占拠しましたが、山崎の戦いで羽柴秀吉に敗れると城は放棄され、その後の火災で壮麗な天主は永遠に失われました。この「幻の名城」の焼失は、信長の天下統一の夢とともに安土桃山時代の象徴的な出来事として歴史に刻まれています。

7. 発掘調査と遺構の発見

昭和15年(1940)から本格的な発掘調査が開始され、平成元年から20年計画で実施された特別史跡安土城跡調査整備事業により、安土城の全貌が明らかになりました。大手道の発掘では幅約6メートル、全長約180メートルの直線道路が確認され、両側に前田利家や羽柴秀吉の屋敷跡も発見されています。天主台では26個の礎石のうち中央の1個を除いて全て現存し、本丸御殿の詳細な構造も判明しました。現在も継続的な調査により新たな発見が続いています。

8. 現代に伝える安土城の姿

現在の安土城跡では、復元された大手道の石段を登りながら当時の威容を体感できます。天主台跡からは琵琶湖を一望でき、信長が眺めた景色を追体験することが可能です。安土城天主信長の館では1992年スペイン・セビリア万博に出展された原寸大の天主上層部復元模型が展示され、VRシアターで「絢爛・安土城」の映像も楽しめます。安土城郭資料館では20分の1の復元模型により全体像を把握できます。

9. 安土城が残した遺産

安土城で培われた築城技術は、その後の豊臣秀吉の大坂城、各地の近世城郭建設の範となりました。特に総石垣造りの技術や天守建築の手法は全国に普及し、江戸時代の城郭建築の基礎となっています。また穴太衆による石垣技術は全国の城郭普請に活用され、安土城がまさに近世城郭の出発点となったことが実証されています。信長の革新的な発想と最先端技術の融合が、日本の建築史に与えた影響は計り知れません。

10. アクセスと見学のポイント

安土城跡へはJR安土駅から徒歩約25分、またはレンタサイクルで約10分です。拝観には約45分~90分を要し、石段や坂道が多いため歩きやすい靴での見学が必要です。日本100名城スタンプは摠見寺入山受付、安土城郭資料館、安土城天主信長の館、桑実寺の4か所で押印可能です。摠見寺では織田信長の肖像画が描かれた御朱印帳や御城印も購入でき、特別拝観日には仮本堂で信長の尊像や位牌を拝観できます。

アクセスマップ

散歩記録

散歩記録準備中

御城印情報

御城印画像
価格: 300円
販売場所: 摠見寺

スタンプ情報

スタンプ画像
設置場所: ●摠見寺(安土城跡入山受付)
●安土城郭資料館
●安土城天主信長の館
●桑実寺(観音寺城と共通)
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