58.明石城
日本100名城基本情報
住所 | 〒673-0847 兵庫県明石市明石公園1-27 |
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電話 | 078-912-7600(明石公園サービスセンター) |
築城年 | 1619年(元和5年) |
営業情報
開館時間 | 見学自由(櫓内公開は土日祝のみ) |
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入場料 | 無料 |
休館日 | なし |
1. 明石城の歴史概要
明石城は1619年(元和5年)に初代明石藩主小笠原忠政(後の忠真)によって築城された平山城で、日本100名城の一つです。徳川幕府2代将軍秀忠の命により、西国諸藩に対する備えの要所として築かれ、別名「喜春城」「錦江城」とも呼ばれています。2004年に国の史跡に指定されています。
2. 築城の背景と戦略的重要性
明石城は姫路城の後詰として、外様大名の多い西国の備えを目的に築城されました。明石の地は山陽道が通り、瀬戸内海に面して淡路島や四国へのルートがある交通の要衝で、古来より軍事・交通上の重要拠点でした。建設費用は銀1000貫目、現在の価値で約31億円規模の国家プロジェクトでした。
3. 現存する貴重な三重櫓
明石城の最大の特徴は、本丸に建つ巽櫓と坤櫓の2つの現存三重櫓です。これらは日本に12基しか現存していない三重櫓のうちの貴重な2基で、国の重要文化財に指定されています。巽櫓は船上城から、坤櫓は伏見城から移築されたと伝えられています。
4. 天守が築かれなかった城
明石城には当初から天守が築かれませんでしたが、天守台は現在も残っています。これは築城当時の政治的配慮によるもので、代わりに坤櫓が天守代用として使われました。天守台の存在は、当初天守建設が計画されていたことを物語っています。
5. 小笠原忠政と歴代藩主
初代藩主小笠原忠政は織田信長と徳川家康を曽祖父に持つ戦国のサラブレッドで、家康から「わが鬼孫なり」と評されました。その後、戸田松平家、大久保家、藤井松平家、本多家と続き、1682年に越前大野5万石の松平直明が入封し、以降10代にわたって明石藩を治めました。
6. 100名城スタンプと御城印
日本100名城スタンプは明石公園サービスセンター受付窓口に設置されています(2025年4月5日より設置場所変更)。御城印は初代城主小笠原忠政直筆の寄進状中の「明石城」の文字を転載したもので、小笠原家と越前松平家の家紋が配置されており、300円で販売されています。
7. 櫓の特別公開と見どころ
巽櫓は春季(3・4・5月)、坤櫓は秋季(9・10・11月)にそれぞれ土日祝日限定で1階部分が特別公開されます。これらの櫓はJR明石駅のホームからも見ることができ、駅を出るとすぐに城址の美しい景観を楽しむことができます。
8. アクセスと立地の良さ
明石城はJR・山陽電車各明石駅から徒歩5分という抜群のアクセスを誇ります。新幹線利用の場合は西明石駅からJR明石駅まで5分で到着可能です。車の場合は第二神明道路大蔵谷ICから約10分、玉津ICから約15分でアクセスできます。
9. 明石公園としての整備
明石城跡は現在、兵庫県立明石公園として整備されており、芝生広場や野球場などのスポーツ施設と図書館などの文化施設を備えた広大な広域公園となっています。桜の名所としても有名で、春には多くの花見客で賑わいます。
10. 宮本武蔵との関連と城下町
明石城には宮本武蔵が小笠原忠真に仕えたという伝承があり、城の設計にも関わったとされています。また明石は子午線のまちとしても知られ、東経135度線が通る日本標準時の基準地点でもあります。城下町明石では明石焼きなどの名物グルメも楽しめ、観光の魅力が豊富です。