60.赤穂城
日本100名城散歩記録
訪問時に撮影した写真をご覧いただけます
📷 散歩記録準備中1. 赤穂城の概要と歴史
赤穂城は兵庫県赤穂市にある日本の城で、1648年(慶安元年)から1661年(寛文元年)にかけて浅野長直の指示によって13年の歳月をかけて築かれた海岸平城です。もともとは室町時代に赤松氏の一族である岡豊前守が居館を築き「加里屋城」と称していた場所で、江戸時代には赤穂藩の政庁が置かれました。現在は国史跡および本丸庭園・二之丸庭園が国の名勝に指定されています。
2. 忠臣蔵の舞台として
赤穂城は『忠臣蔵』の舞台として知られており、1701年(元禄14年)に3代浅野長矩が江戸城中で吉良義央に斬りつけて刃傷事件を起こし浅野氏が改易となった後、翌元禄15年に家臣による吉良邸討ち入りが起こった元禄赤穂事件の舞台となりました。本丸内には刃傷事件後に大石内蔵助らが大評定に集まった御殿の間取りが復元されており、忠臣蔵ファンの聖地として多くの人が訪れています。
3. 変形輪郭式という珍しい城郭構造
赤穂城は近代城郭史上非常に珍しい変形輪郭式の海岸平城です。本丸を二之丸が取り囲み、二之丸は仕切り門によって二つに分割されており、二之丸の南はそのまま海に面し、北の陸に面した所に三之丸がありました。五稜郭のような形をしており、本丸と二の丸が輪郭式、二の丸と三の丸が梯郭式をもつ、変形輪郭式の非常に珍しい近世城郭として注目されています。
4. 軍学者による設計と築城技術
赤穂城の設計は藩の家臣で軍学師範の近藤正純が担当し、そのうち二之丸門虎口の縄張は、当時の著名な軍学者であった山鹿素行の手が加えられたと伝えられています。元和偃武のあと、平和な時代に築かれた数少ない城のひとつでありながら、山鹿素行を招聘し甲州流軍学によって築いた実戦的な城で、構造は戦を強く意識しており、複雑に折れ曲がる堀や石垣、角度をたがえる諸門が特徴的です。
5. 天守台と城郭の特徴
赤穂城には立派な天守台がありますが、一度も天守は築かれませんでした。これは5万3千石しかない浅野家にとって、赤穂城は広大すぎたため財政難となってしまったからです。敷地は広く、全体で12の城門と10の隅櫓を設けた城郭で、本丸の面積は約15,114㎡で、かつて本丸の中央には、藩主の屋敷である本丸御殿が建っていました。現在は南東部に天守台、庭園などが残っています。
6. 庭園と文化財指定
平成14年には本丸庭園と二之丸庭園が国の名勝に指定され、城内は城跡公園となっています。赤穂城の本丸庭園は2002年に二之丸庭園とともに国の名勝に指定されました。これらの庭園は江戸時代の大名庭園の特徴を良く残しており、四季を通じて美しい景観を楽しむことができます。国史跡として190.405.17㎡が昭和46年3月31日に指定され、追加指定も行われています。
7. 復元建造物と見どころ
現在ある大手門や櫓などは、赤穂浪士が吉良邸に討ち入りしてから250年後にあたる1955年(昭和30年)に復元されたものです。大手門のすぐそばにある大手隅櫓も1955年に再建され、本丸門は櫓門と高麗門による枡形門で、1996年に復元されました。厩口門は本丸にあった3つの門のひとつで、2001年に復元されるなど、段階的に城郭の復元が進められています。
8. アクセスと利用案内
赤穂城はJR播州赤穂駅から徒歩20分の立地にあり、山陽自動車道赤穂インターから車約10分でアクセス可能です。本丸・二之丸庭園は9:00~16:30(入園は16:00まで)で年末年始(12月28日~1月4日)は閉門していますが、その他の区域は24時間開放されており、無料で見学できます。市立歴史博物館の隣に東駐車場、塩屋門跡の隣に西駐車場がありいずれも無料となっています。
9. 100名城スタンプと御城印
日本100名城スタンプは本丸櫓門下と赤穂市立歴史博物館の2ヶ所に設置されており、デザインは本丸門の枡形を俯瞰で見た構図となっています。御城印は観光情報センター(JR播州赤穂駅ビル2階)で購入でき、価格は1枚400円で、1人2枚まで購入できます。御城印の上下に忠臣蔵を象徴するギザギザの「雁木模様」を配置し、赤穂城の揮毫の背景には浅野家の家紋「丸に違い鷹の羽」と大石家の家紋「右二つ巴」があしらわれています。
10. 周辺史跡と観光
赤穂城内には大石良雄宅跡(国指定史跡)や近藤源八宅跡長屋門(市指定建造物)など江戸時代から残る数少ない遺構があります。城内には大石神社もあり、赤穂義士を祀る神社として多くの参拝者が訪れます。また、「ボランティアガイドとまちあるき」を開催しており、「忠臣蔵ゆかりの地ぶらりコース」として播州赤穂駅から息継ぎ井戸、花岳寺、赤穂城跡、赤穂大石神社、赤穂市立歴史博物館をガイドと巡ることができ、赤穂の歴史と文化を深く学ぶことができます。
📍 アクセスマップ
🎫 御城印情報

🏯 スタンプ情報

●赤穂市立歴史博物館