84.高知城
日本100名城基本情報
住所 | 高知県高知市丸ノ内一丁目 |
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電話 | 088-824-5701 |
築城年 | 1601年(慶長6年) |
営業情報
開館時間 | 9:00-17:00(最終入館16:30) |
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入場料 | 高校生以上500円 |
休館日 | 12月26日~1月1日 |
1. 高知城の歴史と築城者
高知城は、関ヶ原の戦いで功績を挙げた山内一豊が徳川家康から土佐一国を拝領し、慶長6年(1601年)に築城を開始した平山城です。慶長16年(1611年)に二代藩主・忠義の時に完成。享保12年(1727年)の城下町大火で追手門以外の建物が焼失しましたが、宝暦3年(1753年)に創建当時の姿で再建されました。その後、明治維新や太平洋戦争の危機を乗り越え、「南海道随一の名城」として現在まで残る名城です。
2. 現存天守と建築の特徴
高知城の天守は高さ18.5mの三層六階望楼型で、全国に12しか残らない現存天守の一つです。屋根は入母屋造り本瓦葺きで、鷹の羽に似た色合いから別名「鷹城」と呼ばれます。最大の特徴は、江戸時代の天守と本丸御殿(懐徳館)がセットで現存する全国唯一の城郭であることです。天守・本丸御殿・追手門など15棟が国の重要文化財に指定され、江戸時代の生活文化を物語る貴重な建築群が完全な形で保存されています。
3. 本丸御殿「懐徳館」の見どころ
高知城の本丸御殿は「懐徳館」と呼ばれ、藩主の生活の場として使用された現存する貴重な建物です。上段の間、中段の間、下段の間に分かれた格式高い造りで、藩主の接客や政務を行う場所でした。内部には江戸時代の調度品や武具が展示され、当時の大名の生活ぶりを知ることができます。天守と廊下門で結ばれた一体的な構造は、他の城では見られない高知城独特の特徴で、防御機能と居住機能を両立させた巧妙な設計です。
4. 追手門と石垣の構造
高知城の正門である追手門は、桃山様式の美しい櫓門で重要文化財に指定されています。黒板に白壁、灰瓦のコントラストが美しく、門の内部は枡形虎口となっており、敵を三方から攻撃できる巧妙な防御構造です。石垣は野面積みと打込接ぎが混在し、自然石を巧みに組み合わせた技術が見どころです。天守へと続く登城路は、下から攻める敵には不利で、城側には有利な設計となっており、戦国時代の築城技術の粋が詰まっています。
5. 日本100名城スタンプと御城印
高知城は日本100名城の第84番に選定され、スタンプは天守窓口で押印できます(開館日の9:00-17:00)。御城印は入場券売り場で300円で販売されており、山内家の家紋「土佐柏」がデザインされています。土佐柏は通常の三つ柏より葉が細い特徴があり、土佐藩ゆかりの九十九商会や三菱グループの由来ともなった歴史ある家紋です。登城記念として多くの城郭ファンに愛される貴重なアイテムで、高知城の歴史を物語る記念品です。
6. 高知城からの眺望と景色
高知城天守最上階からは、高知市街を360度見渡す絶景パノラマが楽しめます。南には土佐湾、北には四国山地、東西には高知平野が広がり、城下町として発展した高知市の街並みを一望できます。特に夕暮れ時の眺めは美しく、天守の窓から差し込む光と合わせて幻想的な雰囲気を演出します。桜の季節には城内に約220本の桜が咲き誇り、花見スポットとしても人気です。四季折々の表情を見せる高知の自然と、歴史ある天守からの眺望は訪問者に深い感動を与えます。
7. 高知公園として親しまれる城址
高知城は高知公園として整備され、市民の憩いの場として親しまれています。追手門前には板垣退助像や山内一豊・千代夫妻の銅像が建ち、土佐の偉人たちを偲ぶことができます。公園内には桜や梅の木が植えられ、春には花見、秋には紅葉が楽しめます。よさこい祭りやお城まつりなど、年間を通じて様々なイベントが開催され、高知の文化発信基地としての役割も果たしています。天守のライトアップも美しく、夜の散策も魅力的です。
8. アクセス方法と周辺施設
高知城へはJR高知駅から路面電車(とさでん交通)で「高知城前」下車、徒歩約2分でアクセス可能です。路面電車は高知の名物でもあり、城へのアクセス自体も観光の一部として楽しめます。高知駅から徒歩の場合は約25分、市内循環バスも運行されています。周辺には高知城歴史博物館、ひろめ市場、日曜市などの観光スポットが徒歩圏内にあり、高知の歴史・文化・グルメを一度に楽しむことができます。駐車場(高知公園駐車場)も完備されており、車でのアクセスも便利です。
9. 山内家と土佐藩の歴史
高知城を築いた山内一豊は、織田信長・豊臣秀吉に仕え、関ヶ原の戦いで東軍につき土佐24万石を拝領しました。妻の千代は内助の功で知られ、夫の出世を支えた戦国女性の模範として語り継がれています。山内家は16代にわたって土佐藩を統治し、坂本龍馬や板垣退助など明治維新の志士を輩出しました。高知城は単なる軍事施設ではなく、土佐の政治・文化の中心として機能し、近代日本の礎を築いた多くの人材を育んだ歴史ある舞台です。
10. 見学のポイントと楽しみ方
高知城見学では、追手門から天守まで順路に沿って登城し、石垣の積み方や建物の構造に注目するのがおすすめです。天守内部は6階建てで、各階に高知城の歴史や山内家に関する展示があります。急な階段は江戸時代のままで、歴史の重みを実感できます。懐徳館では畳に座って殿様気分を味わい、天守最上階では360度の大パノラマを満喫しましょう。ボランティアガイドによる無料案内も利用でき、より深く高知城の魅力を知ることができます。所要時間は約1-2時間です。
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