69.鬼ノ城

69.鬼ノ城

日本100名城

基本情報

住所 岡山県総社市黒尾1101-2(ビジターセンター)
電話 0866-99-8566(鬼城山ビジターセンター)
築城年 7世紀後半

営業情報

開館時間 【ビジターセンター】9:00~17:00(入館は16:30まで)【城跡】24時間
入場料 無料
休館日 【ビジターセンター】月曜日(祝日の場合は翌平日)、年末年始(12月29日~1月3日)

1. 鬼ノ城の歴史と由来

鬼ノ城は岡山県総社市の標高397mの鬼城山に築かれた古代山城で、日本100名城(69番)に選定されています。最大の謎は「日本書紀」などの歴史書に一切記載がないことで、発掘調査により7世紀後半に築かれたことが判明しました。663年の白村江の戦いで大敗した大和朝廷が、唐・新羅の連合軍の侵攻を恐れて築いた国防施設とする説が有力です。築城者については天智天皇説と、吉備太宰を務めた石川王説があり、現在は石川王が有力とされています。

2. 桃太郎伝説と温羅退治の舞台

鬼ノ城は桃太郎伝説の原型となった温羅退治の舞台として有名です。昔、この城に百済の王子「温羅(うら)」という鬼が住み着き、周辺の住民を苦しめていました。朝廷から派遣された吉備津彦命が激戦の末に温羅を退治したという伝説が残り、これが後の桃太郎の物語の原型になったとされています。「鬼ノ城」の名前も、百済の古語で「城」を意味する「キ」に後から「鬼」の字をあてたものと考えられています。

3. 古代山城としての特徴と構造

鬼ノ城は神籠石式山城という朝鮮半島由来の築城技術で造られており、山の7~9合目を城壁が鉢巻状に2.8km巡っています。城壁は主に版築土塁で構成され、要所に高石垣が配置されています。特筆すべきは城壁を保護する敷石の発見で、これは古代山城では国内初の事例でした。城門は東西南北の4か所、水門は6か所設けられ、城内面積は約30ヘクタールという巨大な規模を誇ります。

4. 復元された西門と角楼の見どころ

鬼ノ城の象徴的存在が復元された西門で、間口12.3mの巨大な楼門です。12本の柱で支えられた3層構造で、遺構や史料から推定復元されました。西門近くには角楼という防御施設もあり、これは鬼ノ城にしか例のない珍しい構造です。版築土塁も復元され、少量の土を盛って突き固める古代の築城技術を実際に見ることができます。西門からの眺望は素晴らしく、総社平野から瀬戸内海、さらに四国の山並みまで一望できます。

5. 全長2.8kmのウォーキングコースと遺構

鬼ノ城には城壁に沿って整備された全長2.8kmのウォーキングコースがあり、西門から反時計回りで高石垣、各水門、南門、東門、北門などの遺構を巡ることができます。各所に解説板が設置され、1時間半~3時間程度で一周できます。城内からは礎石建物跡7棟、掘立柱建物跡1棟、溜井、烽火場、鍛冶遺構なども発見されており、古代山城として必要な設備がほぼ揃った完成度の高い城であることが分かります。

6. 鬼城山ビジターセンターでの学習体験

城跡入口にある鬼城山ビジターセンターは、鬼ノ城について映像・パネル・模型で分かりやすく紹介するガイダンス施設です。鬼ノ城の全体模型(1000分の1スケール)や発掘調査の成果、復元過程などが展示されています。日本100名城スタンプもここで押すことができ、散策前の予備知識習得に最適です。開館時間は9:00~17:00、月曜休館(祝日の場合は翌平日休)で、城内にトイレがないため事前利用が必要です。

7. 発掘調査で明かされた古代の謎

1994年から始まった発掘調査により、鬼ノ城の実態が次第に明らかになってきました。出土した土器群から築城時期は7世紀末頃、廃城は8世紀初めと推定されています。築城期間は約12年とされ、これは同時期の怡土城の建設期間と同じです。城内からは仏教関連の遺物も出土しており、廃城後は山岳寺院として利用されていた可能性も指摘されています。現在も調査は継続され、新たな発見が期待されています。

8. 古代吉備の中心地としての立地

鬼ノ城が築かれた吉備地方は、古代ヤマト政権の畿内と九州・朝鮮半島を結ぶ海路の要衝でした。瀬戸内海のほぼ中間に位置し、古代吉備の中心部である総社平野を見下ろす絶好の立地です。港(吉備津)から約11kmの距離にあり、海からの侵入を監視・防御する機能を果たしていました。眼下の総社平野には多くの古墳群があり、古代吉備の繁栄を物語っています。快晴時には瀬戸内海から四国の山並みまで見渡せる絶景の地です。

9. アクセスと観光の注意点

鬼ノ城へのアクセスは車が便利で、鬼城山ビジターセンターまで約70台の駐車場があります。公共交通機関では、JR服部駅から約5km(徒歩1時間半)、JR総社駅からタクシーで約30分です。登城道は山道で狭い箇所があり、休日や桜・紅葉シーズンは渋滞することがあります。城内の散策路は整備されていますが、一部足場の悪い箇所もあるため、歩きやすい靴での訪問が必要です。虫が多い季節は虫除けスプレーの持参がおすすめです。

10. 古代ロマンと現代への継承

鬼ノ城は「歴史と自然の野外博物館」として整備され、古代山城の魅力を現代に伝えています。謎多き古代山城として学術的価値が高く、国の史跡指定を受けています。発掘調査や復元工事は現在も継続され、新たな発見により古代吉備の歴史がより明らかになることが期待されています。桃太郎伝説の舞台としても親しまれ、古代ロマンと自然の美しさを同時に楽しめる貴重な文化遺産として、多くの歴史ファンやハイカーに愛され続けています。

アクセスマップ

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設置場所: 鬼城山ビジターセンター
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