67.津山城
日本100名城基本情報
住所 | 〒708-0022 岡山県津山市山下135 |
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電話 | 0868-22-4572(鶴山公園切符売り場) |
築城年 | 1616年(元和2年) |
営業情報
開館時間 | 8:40~19:00(4月~9月)、8:40~17:00(10月~3月) |
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入場料 | 大人310円、中学生以下無料 |
休館日 | 12月29日~12月31日 |
1. 津山城の概要と歴史的意義
津山城は岡山県津山市にある日本100名城67番の平山城で、別名鶴山城として親しまれています。本能寺の変で討死した森蘭丸の末弟である森忠政が、関ヶ原の戦いの功績により美作国18万6千石の大名となり、1603年(慶長8年)から13年の歳月をかけて築城した大規模な近世城郭です。姫路城、伊予松山城と並ぶ日本三大平山城の一つに数えられ、往時は五層の天守と77棟もの櫓を擁する壮大な城郭でした。明治の廃城令により建物は全て取り壊されましたが、現在も美しい高石垣が完全な形で保存され、2005年に復元された備中櫓とともに津山市のシンボルとして多くの人々に愛されています。
2. 森忠政による築城と城郭の特徴
津山城の築城者である森忠政は、織田信長の家臣で「攻めの三左」と呼ばれた森可成の六男で、森蘭丸の末弟という血筋を持ちます。信濃川中島藩を経て美作津山藩主となった忠政は、豊臣秀吉の城郭普請を担当した経験を活かし、鶴山の地形を巧みに利用した堅固な城郭を設計しました。鶴山全体を10メートルを超える高石垣で囲み、雛壇状に三の丸、二の丸、本丸と曲輪を積み上げた梯郭式の縄張りは、実戦を見据えた防御システムとして高く評価されています。最上段の天守曲輪には藤堂高虎によって考案された層塔型の天守が建ち、これを取り囲むように多くの櫓と門が配置された強固な防御網を誇りました。
3. 一二三段の石垣と城郭構造の見どころ
津山城の最大の見どころは「一二三段(ひふみだん)」と呼ばれる三段構えの美しい石垣群です。三の丸から本丸まで約45メートルの高さに積み上げられた石垣は、下から見上げるとひな段状の壮観な景観を見せ、津山城のシンボルとして多くの観光客を魅了しています。石垣は江戸時代の建設当時のまま現存しており、その技術の高さと美しさは全国屈指のものです。特に本丸への登城路では、敵の侵入を阻む巧妙な虎口の構造や横矢掛かりの工夫を随所で確認でき、近世城郭技術の粋を集めた設計思想を学ぶことができます。天守台には「愛の奇石」と呼ばれるハート型の石があり、恋愛成就のパワースポットとしても人気を集めています。
4. 復元された備中櫓と城内施設
2005年に築城400年を記念して復元された備中櫓は、かつて城内にあった櫓の中で最大のもので、津山城の新たなシンボルとなっています。この櫓の名前は、森忠政の娘婿で備中松山藩主の池田長幸にちなんだもので、長幸が津山城を訪れた際に完成したとされています。一般的な櫓と異なり、備中櫓は「全室畳敷きで御殿の一部として使用されていた」という特殊な構造を持ち、本丸の居住空間が限られていたため御殿建築として機能していました。現在は無料で見学でき、内部では津山城の歴史や築城の様子を紹介するパネル展示や、城下町を一望できる素晴らしい眺望を楽しむことができます。
5. 西日本随一の桜の名所
津山城は「日本さくら名所100選」に選ばれた西日本屈指の桜の名所として有名で、城内には約1,000本の桜が植えられています。毎年春になると城跡全体がピンクに染まり、高石垣と桜のコントラストが美しい絶景を作り出します。特に藩校跡から眺める桜は「桜の雲海」と呼ばれるほどの壮観で、多くの花見客で賑わいます。津山さくらまつり期間中(4月上旬~中旬)は開園時間が延長され(7:30~22:00)、夜桜のライトアップも実施されます。石垣の上から眺めるライトアップされた桜は圧巻で、昼間とは異なる幻想的な美しさを楽しむことができ、津山観光の最大のハイライトとなっています。
6. 日本100名城スタンプと御城印情報
日本100名城のスタンプは、鶴山公園内の津山城備中櫓受付に設置されています。開館時間は通常時9:00~16:30、津山さくらまつり期間中は9:00~18:30となっており、スタンプの押印には鶴山公園の入園料(大人310円)が必要です。休館日は12月29日~1月3日です。御城印も同じく備中櫓受付で販売されており、森家の家紋「鶴丸」と後に藩主となった松平家の家紋「三つ葉葵」が描かれた美しいデザインで、1枚300円で購入できます。購入時には日付を入れてもらうことができ、登城の記念として人気を集めています。また、攻城団によると津山城では30種類もの多彩な御城印が販売されているとのことです。
7. アクセスと駐車場情報
津山城へのアクセスは、JR津山線・姫新線津山駅から徒歩約20分の距離にあります。岡山桃太郎空港からは車で約1時間、山陽新幹線岡山駅からはJR津山線で約1時間10分でアクセス可能です。車でのアクセスの場合は、中国自動車道津山ICから約15分、院庄ICから約20分の距離です。駐車場は複数箇所に用意されており、鶴山公園(津山城跡)駐車場、津山市城下駐車場、津山観光センター駐車場などが利用できます。津山観光センターには約30台の駐車スペースがあり、観光案内所や土産物店も併設されているため、観光の拠点として便利です。さくらまつり期間中は混雑が予想されるため、公共交通機関の利用も推奨されています。
8. 津山城下町と周辺観光スポット
津山城の魅力は城郭だけでなく、城下町の歴史的な街並みにも及んでいます。津山城の東西には寺院街と商人街が美しく残り、特に城東地区は国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されており、旧出雲街道の宿場町として栄えた当時の面影を今に伝えています。城西地区には津和野の総鎮守である徳守神社があり、本殿の見事な彫刻は県の重要文化財に指定されています。また、津山は『津山ホルモンうどん』などのB級グルメでも有名で、城下町散策と合わせてグルメ巡りも楽しめます。城跡南側には京橋御門跡の石垣も残されており、往時の城下町の規模を実感できます。
9. 季節ごとの楽しみ方と撮影スポット
津山城は四季を通じて異なる美しさを見せる観光スポットです。春は言うまでもなく桜の名所として最高の時期で、特に朝の時間帯は人が少なく、ゆっくりと桜を楽しめます。夏は新緑に包まれた石垣が美しく、備中櫓からの眺望も爽快です。秋には紅葉が石垣を彩り、津山城もみじまつりも開催されます。冬は雪化粧した石垣が幻想的な美しさを見せます。撮影スポットとしては、津山セントラルホテルアネックス最上階レストランのテラスからの遠景、吉井川に面したIZUMIショッピングセンター屋上駐車場からの正面ビュー、神南備山展望台からのパノラマ景観などがおすすめです。城内では一二三段の石垣を下から見上げるアングルが特に人気です。
10. 城めぐりのポイントと楽しみ方
津山城を十分に楽しむためには、事前の情報収集と計画的な見学が重要です。鶴山公園の入園には有料(大人310円)ですが、備中櫓の見学は無料で、内部では津山城の詳細な歴史や築城の過程を学ぶことができます。登城には約1時間程度を見込み、特に天守台までの階段は段差が高い箇所もあるため、歩きやすい靴での来訪をおすすめします。桜の時期は非常に混雑するため、早朝の来訪が最適です。津山城は日本三大平山城の一つとして、姫路城や伊予松山城との比較も興味深く、それぞれの特徴を理解して訪問するとより一層楽しめます。また、津山市内には津山洋学資料館、津山郷土博物館などの関連施設もあり、津山藩の歴史や文化をより深く学ぶことができ、充実した歴史散策を体験できます。
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