10.山形城

10.山形城

日本100名城

📍基本情報

住所 山形県山形市霞城町1-7
電話 023-641-1212(霞城公園管理事務所)
築城年 1357年(延文2年)年

🕒営業情報

開館時間 散策自由(公園4月-10月5:00-22:00、11月-3月5:30-22:00)
入場料 無料(城跡公園)、各施設は個別料金
休館日 無休(城跡公園)、各施設により異なる

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1. 山形城の概要と歴史的意義

山形城は、山形県山形市霞城町にある日本100名城第10番の輪郭式平城です。1357年に斯波兼頼によって築城され、最上義光の時代に東北最大級の規模に拡張されました。別名「霞城」(かじょう)と呼ばれ、本丸・二の丸・三の丸が同心円状に配置された構造で、全国5番目の広さを誇った巨大な城郭として知られています。現在は霞城公園として整備され、桜の名所としても親しまれています。

2. 斯波氏と最上氏の築城史

山形城の歴史は、1356年に羽州探題として山形に入った斯波兼頼が翌年築城したことに始まります。斯波氏は室町幕府の三管領家の一つで、出羽国における足利将軍家の代官として強大な権力を持っていました。その後、斯波氏は最上氏を名乗り、11代最上義光の時代に城郭を大幅に拡張し、三の丸を構築して家臣団の屋敷を配置しました。慶長出羽合戦で勝利した義光は出羽57万石の本城として山形城を整備しました。

3. 最上義光と城郭の大拡張

最上義光(1546-1614)は戦国時代を代表する東北の名将で、山形城を東北最大級の城郭に発展させました。文禄年間(1592-1596)に三の丸を新たに構築し、城郭面積を飛躍的に拡大させました。三の丸は東西1480m、南北1881mに及び、534人の上級・中級家臣の屋敷が置かれました。城下町も整備され、羽州街道と笹谷峠の合流点という交通の要衝として、政治・経済の中心地となりました。

4. 江戸時代の城主変遷と改修

1622年に最上氏が改易された後、鳥居忠政が城主となり大規模な改修を行いました。現在の二の丸の堀や石垣は、この時期に整備されたものです。その後、保科正之(会津松平氏の祖)、松平氏と譜代・親藩大名が入封しましたが、度重なる藩主交代により石高が削減され、城の維持が困難になりました。江戸中期以降は御殿が二の丸に移され、本丸は更地となり、三の丸の西半分は田畑化されました。

5. 城郭構造と防御システム

山形城は本丸・二の丸・三の丸が同心円状に配置された輪郭式平城で、馬見ヶ崎川を天然の外堀として利用しています。天守は築かれませんでしたが、二の丸に三重櫓(御三階櫓)が代用として建てられていました。二の丸には5つ、三の丸には11の出入り門が設けられ、特に東大手門は江戸城に匹敵する規模を誇りました。土塁と石垣を巧みに組み合わせた防御システムで、敵の侵入を阻む複雑な構造となっています。

6. 霞城の由来と慶長出羽合戦

山形城が「霞城」と呼ばれるのは、1600年の慶長出羽合戦(長谷堂合戦)に由来します。関ヶ原の戦いと同時期に行われたこの戦いで、上杉景勝軍が山形城に迫った際、霞がかかって城が見えなくなり、上杉軍が苦戦したことから名付けられました。山形盆地特有の気候で霧がかかりやすい地形も要因とされています。この戦いは「東北の関ヶ原」とも呼ばれ、最上義光の名声を決定づけた重要な合戦でした。

7. 明治以降の変遷と公園化

明治維新後の廃城令により山形城は廃城となり、多くの建物が解体されました。第二次世界大戦後、本丸と二の丸跡地は運動公園として整備され「霞城公園」として市民に開放されました。1986年に国の史跡に指定され、近年は史跡公園としての整備方針に変更されています。現在も園内に残る運動施設は段階的に移転が進められ、城郭本来の姿を取り戻す復元事業が進行中です。

8. 復元建造物と文化施設

1991年に二の丸東大手門が復元され、2005年には本丸一文字門大手橋が復元されました。2013年には本丸大手門枡形内の高麗門及び土塀も復元され、往時の威容を取り戻しつつあります。園内には旧済生館本館を移築した山形市郷土館(重要文化財)、山形県立博物館、山形美術館、最上義光歴史館などの文化施設が充実しており、山形の歴史と文化を学ぶ拠点となっています。

9. 桜の名所と現在の見どころ

霞城公園は県内有数の桜の名所として知られ、約1500本の桜が植えられています。特に東大手門周辺の桜は圧巻で、毎年4月中旬から下旬にかけて多くの花見客で賑わいます。現存する土塁と堀の遺構は当時の巨大な城郭を偲ばせ、発掘調査により新たな発見も続いています。最上義光公の騎馬像は山形市のシンボルとして親しまれ、山形城VR/ARでは復元されたCGで往時の城郭を体験できます。

10. アクセスと周辺観光

山形城へは山形駅から徒歩約15分、山形自動車道山形蔵王ICから車で約15分と交通アクセスが良好です。100名城スタンプは山形市郷土館、二の丸東大手門櫓、最上義光歴史館の3か所に設置されており、いずれも入館無料です。周辺には文翔館(重要文化財)、霞城セントラル展望ロビー、山形グルメを楽しめる店舗も充実しており、山形観光の拠点として最適な立地にあります。

📍 アクセスマップ

🎫 御城印情報

御城印画像
価格 300円
販売場所 ●山形市郷土館 ●最上義光歴史館

🏯 スタンプ情報

スタンプ画像
設置場所 ●山形市郷土館 ●二の丸東大手門櫓 ●最上義光歴史館

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