119.杉山城
続100名城基本情報
住所 | 埼玉県比企郡嵐山町大字杉山605 |
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電話 | 0493-62-2311(嵐山町役場) |
築城年 | 1546年以前(山内上杉氏時代) |
営業情報
開館時間 | 随時見学可能 |
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入場料 | 無料 |
休館日 | なし |
1. 杉山城の歴史と立地
杉山城は埼玉県比企郡嵐山町にある山城で、市野川左岸の山の上に築かれた戦国時代の城郭です。築城の主や年代については諸説ありますが、近年の発掘調査により山内上杉氏時代の築城である可能性が高くなっています。従来は縄張りの高度さから後北条氏による築城説が有力でしたが、出土遺物の年代は16世紀前半を示しており、「杉山城問題」として学術的議論が続いています。
2. 城郭構造と縄張りの特徴
杉山城は「築城の教科書」と呼ばれるほど完成された縄張りを持つ山城で、本郭を中心として北・東・南の三方向にそれぞれ二の郭、三の郭を梯段状に配置しています。大手口には外郭と馬出郭があり、井戸を守るための井戸郭も設けられています。帯郭や空堀は複雑に入り組んでおり、敵には迷路となる一方で城方には連絡路として機能する巧妙な設計となっています。
3. 防御システムの革新性
城内の防御システムは極めて高度で、本郭には三方向に虎口を設けた厳重な構えと各方面の郭への掩護射撃が可能な設計となっています。特に「比企型虎口」と呼ばれる曲輪から「コ」字状の張り出しを作って正面を土塁で固め、側面に出入り口を設けた防御構造は、当時の築城技術の最先端を示しています。横矢掛かりや枡形など、攻撃者を翻弄する仕掛けが随所に施されています。
4. 歴史的価値と学術研究
杉山城は2008年に「比企城館跡群」の一つとして国の史跡に指定され、2017年には続日本100名城(119番)に選定されました。発掘調査では基本的に1面の遺構面のみが確認され、陶磁器類の出土から16世紀前半の使用が推定されています。近年発見された『足利高基書状写』の「椙山之陣」の記述は、この城が天文15年(1546年)の河越夜戦以前に存在していたことを裏付けています。
5. 見学と交通アクセス
杉山城跡は年中無休で見学可能で、東武東上線武蔵嵐山駅から徒歩約35分の場所にあります。続日本100名城のスタンプは嵐山町役場庁舎玄関ホールに設置されており、平日8:30~17:15の時間帯で押印できます。城跡へは積善寺脇の大手口から入城し、馬出郭、南三の郭、南二の郭、井戸郭を経て本郭へと登城できます。駐車場は玉ノ岡中学校北側に無料駐車場が整備されています。
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