13.白河小峰城
日本100名城基本情報
住所 | 福島県白河市郭内1-73 |
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電話 | 0248-28-5535(白河市文化財課) |
築城年 | 1340年(興国元年) |
営業情報
開館時間 | ●三重櫓:4月~10月 9:30-17:00、11月~3月 9:30-16:00 ●歴史館:9:00-16:30(入館は16:00まで) |
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入場料 | ●無料(三重櫓) ●歴史館は有料 |
休館日 | ●三重櫓:12/29~1/3 ●歴史館:毎週月曜日(祝日の場合は開館)、祝日の翌日、12/28~1/4 |
1. 歴史と概要
白河小峰城は福島県白河市に位置する平山城で、奥州関門の名城と謳われた東北地方の重要な拠点です。南北朝時代の1340年(興国元年)に結城親朝によって小峰ヶ岡に築城されたのが始まりとされ、江戸時代初期の1632年(寛永9年)に丹羽長重が4年の歳月をかけて大改修を完成させました。東北では珍しい総石垣造りの城郭として知られ、盛岡城、会津若松城とともに「東北三名城」の一つに数えられています。
2. 築城の背景と発展
白河は古代より奥州への玄関口として重要な地域でした。結城親朝が最初に城を構えた後、江戸時代に入ると幕府の対奥州政策の要として重視され、外様大名への備えとして親藩・譜代大名が配置されました。特に丹羽長重による大改修では、阿武隈川の流路変更、城下町の整備、そして現在も残る壮大な石垣群の構築が行われ、近世城郭として生まれ変わりました。
3. 戊辰戦争と落城
1868年(慶応4年)の戊辰戦争では、白河小峰城をめぐる「白河口の戦い」が展開されました。新政府軍と奥羽越列藩同盟軍との激しい攻防の舞台となり、5月1日に城は落城、建物の大半が焼失しました。この戦いは戊辰戦争の中でも激戦地の一つとして知られ、多くの犠牲者を出した悲劇的な歴史を持ちます。
4. 現存する遺構と復元建築
現在の白河小峰城では、戊辰戦争の戦火を免れた石垣群が往時の威容を物語っています。特に本丸周辺の高石垣は見応えがあり、様々な時代の石積み技術を確認できます。1991年(平成3年)に三重櫓、1994年(平成6年)に前御門が江戸時代の詳細な絵図「白河城御櫓絵図」に基づいて木造復元されました。これらの復元建築は数少ない史料に基づく忠実な木造復元として高く評価されています。
5. 石垣の技術と特徴
白河小峰城の最大の特徴は、東北地方では珍しい総石垣造りです。石垣には様々な技術が用いられており、時代による積み方の違いを観察できます。特に本丸北側の高石垣は「扇の勾配」と呼ばれる美しい曲線を描き、技術的な完成度の高さを示しています。また、穴太衆の技術も導入されており、関西の先進的な築城技術が東北にもたらされた貴重な事例です。
6. 名君松平定信の治世
白河藩の歴代藩主の中でも特に著名なのが、寛政の改革で知られる松平定信です。1783年(天明3年)の大飢饉では、藩内から一人の餓死者も出さないという見事な民政を行い、その手腕が認められて幕府老中に抜擢されました。また、南湖公園の造営など文化的事業も推進し、「白河の名君」として現在でも市民に敬愛されています。
7. 震災復旧と現代の整備
2011年(平成23年)の東日本大震災では石垣の一部が崩落する被害を受けましたが、2013年(平成25年)に復旧工事が完了しました。現在は城山公園として整備され、園内には小峰城歴史館、二ノ丸茶屋などの施設があります。春には桜の名所としても親しまれ、復元された建築物と桜のコントラストが美しい景観を作り出します。
8. 文化的価値と教育
白河小峰城は2010年(平成22年)に国指定史跡となり、その歴史的価値が正式に認められました。城内の小峰城歴史館では、VRシアターによる往時の城郭復元映像や、戊辰戦争に関する詳細な展示が行われています。また、落語家の春風亭昇太師匠がナレーションを担当するなど、親しみやすい歴史学習の場としても機能しています。
9. 周辺の見どころ
白河小峰城の周辺には多くの歴史的見どころがあります。松平定信が造営した南湖公園は日本最古の公園として知られ、翠楽苑では美しい日本庭園を楽しめます。また、白河の関跡は古代より歌枕として親しまれた名所で、奥州への玄関口としての白河の歴史を物語っています。城下町には白河ラーメンの名店も点在し、観光と合わせて地域グルメも堪能できます。
10. アクセス・見学情報
白河小峰城はJR東北本線白河駅から徒歩わずか5分という好立地にあり、駅のホームからも復元された三重櫓を望むことができます。駐車場は無料で約100台分確保されており、東北自動車道白河ICからは車で約10分です。三重櫓の見学は無料で、内部は3階まで上がることができます。春の桜まつりや秋のライトアップなど季節イベントも充実しており、年間を通じて多くの観光客が訪れています。
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