20.佐倉城
日本100名城基本情報
住所 | 千葉県佐倉市城内町官有無番地 |
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電話 | 043-484-0679(佐倉城址公園管理センター) |
築城年 | 1532年(天文年間) |
営業情報
開館時間 | 9:00-17:00(4月~10月)、9:00-16:30(11月~3月) |
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入場料 | 無料 |
休館日 | 1/1~1/3(管理センター) |
1. 佐倉城の概要と歴史的位置づけ
佐倉城は千葉県佐倉市城内町にある平山城で、日本100名城の20番に選定されています。別名を鹿島城、鹿島山城とも呼び、戦国時代中頃の天文年間(1532年から1552年)に千葉氏一族の鹿島幹胤によって築城が開始されました。江戸時代初期の1610年(慶長15年)に土井利勝により本格的な近世城郭として完成し、佐倉藩の藩庁が置かれました。現在は佐倉城址公園として整備され、市指定史跡として保護されています。
2. 築城の歴史と変遷
佐倉城の築城は戦国時代、千葉親胤が一族の鹿島幹胤に命じて開始されましたが、親胤の暗殺により工事は中断し、千葉邦胤の代にも工事が試みられたものの邦胤の暗殺によって頓挫しました。江戸時代に入り、徳川家康の命を受けた土井利勝が1610年(慶長15年)から1616年(元和2年)まで6年間をかけて本格的な築城を行い、現在の規模の城郭が完成しました。以後、江戸の東を守る要として重要視され続けました。
3. 歴代城主と政治的重要性
佐倉城には江戸幕府の要職に就く有力譜代大名が城主として配置されました。土井利勝、堀田正信、稲葉正勝、松平乗久、大久保忠朝など、多くの城主が老中などの幕府要職に就き、歴代城主の多くが政治の中枢で活躍しました。特に幕末期の藩主・堀田正睦は「蘭癖」と呼ばれるほど西洋学問を重視し、日本を開国に導いた開明的な老中として有名で、佐倉藩の藩政改革にも尽力しました。
4. 城郭構造と築城技術
佐倉城は石垣を一切用いない「土の城」として知られ、鹿島川とその支流である高崎川の合流地点の台地上に築かれた平山城です。北に印旛沼、西と南に河川が流れる地勢を巧みに利用し、水堀、空堀、土塁を築いて守りを固めました。本丸、二の丸、三の丸のほか、椎木曲輪、天神曲輪、南出丸、西出丸などの多くの郭を配置し、三重櫓(御三階櫓)を天守の代用としていました。
5. 現在残る遺構と復元建築物
佐倉城跡には本丸、二の丸、三の丸やさらにその外縁部の椎木曲輪、天神曲輪などの多くの郭の形状が広大かつ良好に残っています。特に巨大な馬出し空堀(長辺121m、短辺40m、深さ5.6m)は城跡で最も象徴的な遺構で、1983年に復元されました。また、水堀に守られた西出丸、南出丸の形状や天守跡、銅櫓跡の土塁形状なども良好に保存されています。城外に移築されていた薬医門も城内に戻され保存されています。
6. 佐倉城址公園の整備と施設
現在の佐倉城跡は佐倉城址公園として整備され、天守閣跡、空堀などの遺構を活用した緑豊かな歴史公園となっています。園内には樹齢約400年の「夫婦モッコク」(千葉県指定天然記念物)をはじめ、シイ、カシ、モミジなどの大木が点在し、姥が池、三逕亭(茶室)、桜園、牡丹園、梅園、菖蒲園なども配されています。公園の東端には佐倉城址公園管理センターがあり、城に関する模型や古写真、出土遺物などが展示されています。
7. 国立歴史民俗博物館との連携
佐倉城跡の北西端には1983年(昭和58年)に国立歴史民俗博物館が開館し、日本の歴史と文化を総合的に展示しています。博物館建設の際には敷地一帯の発掘調査と整備が行われ、連隊時代に平削・埋立された遺構の一部が復元されました。城跡と博物館が一体となった歴史学習の場として、多くの研究者や観光客が訪れています。
8. 日本100名城スタンプと御城印
佐倉城の日本100名城スタンプは佐倉城址公園管理センター建物内と建物扉前スタンプ台に設置され、24時間365日押印可能です。また、国立歴史民俗博物館でも押印できます。御城印は京成佐倉駅前観光案内所で窓口販売300円、ネット・郵送販売400円で販売されており、リブロ レイクピアウスイ店でも取り扱っています。
9. アクセスと交通案内
佐倉城へは、京成佐倉駅から徒歩約20分、JR佐倉駅から徒歩約25分でアクセスできます。また、両駅からバスでも「国立博物館入口」または「国立歴史民俗博物館前」バス停下車徒歩5分で到着します。京成佐倉駅前とJR佐倉駅前にはレンタサイクリングがあり、城下町散策と合わせて利用すると便利です。車の場合は東関東自動車道佐倉ICから約15分で、公園内に無料駐車場が完備されています。
10. 見学のポイントと季節の楽しみ方
佐倉城址公園の見学には2-3時間程度を要します。まず管理センターで基本知識を学んでから、巨大馬出し空堀、本丸跡、天守跡、出丸などの主要遺構を順に見学することをお勧めします。春は桜の名所として知られ、3月中旬には佐倉・時代まつりが開催されます。初夏には花菖蒲、秋には紅葉が美しく、四季を通じて自然と歴史を満喫できます。武家屋敷やひよどり坂など城下町の散策も合わせて楽しめ、国立歴史民俗博物館での学習も含めて、充実した歴史探訪が可能です。
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