142.苗木城
続100名城基本情報
住所 | 〒508-0101 岐阜県中津川市苗木 |
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電話 | 0573-66-8181(苗木遠山史料館) |
築城年 | 大永6年(1526年) |
営業情報
開館時間 | 9:30~17:00(入館は16:30まで) ※城跡は終日見学可 |
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入場料 | 城跡:無料 史料館:大人330円 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、12月27日~1月5日 |
1. 苗木城の歴史と概要
苗木城は大永6年(1526年)に遠山直廉によって築城された山城で、岐阜県中津川市の木曽川右岸にそびえる標高432mの城山(高森山)に位置しています。鎌倉時代から遠山氏が治めていた地域に築かれ、戦国時代には武田勝頼の攻撃を受けて一時落城しましたが、関ヶ原の戦い後に遠山友政が奪還し、江戸時代を通じて苗木藩の藩庁として機能しました。明治4年(1871年)の廃藩置県により廃城となりましたが、昭和56年(1981年)に国史跡に指定され、現在も良好な石垣遺構が保存されています。
2. 独特の築城技術と石垣構造
苗木城最大の特徴は、自然の巨岩を積極的に活用した独創的な石垣技術です。岩山という地形的制約から平坦地の確保が困難だったため、巨岩をそのまま石垣の一部として取り込む工法や、建物を巨岩の上に懸造(かけづくり)で構築する建築技法が用いられました。城内では野面積み、打込接、切込接など6つの異なる石垣積み方が確認でき、時代による築城技術の変遷を物語っています。特に「馬洗岩」と呼ばれる巨大な岩石は、城の象徴的存在として現在も訪問者を圧倒しています。
3. 赤壁城伝説と小藩の矜持
苗木城は別名「赤壁城」とも呼ばれ、これには興味深い伝説があります。城主が白漆喰で美しく城壁を塗り上げても、一夜明けると竜の熱い息で漆喰が剥がれ落ち、赤土が露出してしまうという物語が語り継がれています。実際には苗木藩が1万石という小藩で漆喰を塗る経費が捻出できなかったためとされますが、江戸時代を通じて1万石で城持ち大名を維持した全国唯一の藩として、小藩ながらも格式を重んじた遠山氏の矜持を表しています。
4. 絶景の展望台と現代的価値
現在の苗木城跡の天守台には展望台が設置され、木曽川から約170mの標高差を活かした360度の大パノラマが楽しめます。日本百名山の恵那山、眼下の木曽川、中津川市街地を一望でき、寒暖差のある秋から冬の早朝には雲海に包まれた幻想的な景色も観賞できます。「絶景!山城部門第1位」に選ばれたその景観は、戦国時代の軍事的要衝としての立地の優秀さを現代に伝えており、城跡入口の苗木遠山史料館では遠山氏12代の歴史資料や苗木城の復元模型が展示されています。
5. 文化財としての保護と観光資源
苗木城跡は昭和56年に国史跡に指定され、江戸時代の城跡として当時の地形と遺構がほぼ完全な形で保存されている貴重な文化遺産です。平成30年に続日本100名城に選定されて以降、全国から多くの城郭ファンが訪れ、その特異な石垣構造と絶景で「日本のマチュピチュ」とも称されています。苗木遠山史料館では御城印(300円)やボランティアガイドサービスも提供され、毎年4月の桜祭りでは夜桜ライトアップも実施されて、歴史学習と観光の両面で重要な役割を果たしています。
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