64.松江城

64.松江城

日本100名城

📍基本情報

住所 〒690-0887 島根県松江市殿町1-5
電話 0852-21-4030(松江城山公園管理事務所)
築城年 1607年(慶長12年)築城開始/1611年(慶長16年)完成年

🕒営業情報

開館時間 4月~9月:8:30~18:30 / 10月~3月:8:30~17:00(受付は30分前まで)
入場料 大人680円、小・中学生290円
休館日 年中無休

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1. 松江城の歴史と築城

松江城は、関ヶ原の戦いで戦功をあげた堀尾吉晴・忠氏親子が、慶長12年(1607年)から5年の歳月をかけて宍道湖を見下ろす標高28mの亀田山に築いた平山城です。築城を担当したのは築城の名手小瀬甫庵で、1611年(慶長16年)に完成しました。堀尾吉晴は松江開府の祖として知られ、湿地帯だった松江の地を埋め立て、堀を設けて計画的な城下町を建設しました。その後、堀尾2代、京極1代を経て、1638年から松平氏10代が明治まで居城としました。

2. 国宝五城の一つとしての価値

松江城天守は2015年7月8日に国宝に指定され、姫路城、彦根城、犬山城、松本城とともに「国宝五城」と呼ばれています。全国に現存する12天守の中でも、四重五階地下一階の天守は彦根城、姫路城と並んで近世城郭最盛期を代表する天守として高く評価されています。国宝指定の決め手となったのは、2012年に松江神社で発見された2枚の祈祷札で、天守地階の通し柱に打ち付けられていたことが明らかとなり、築城時期が特定されました。

3. 実戦的な構造と千鳥城の美しさ

松江城天守は関ヶ原の戦いが終わって間もない頃の質実剛健な構えで、実戦本位の設計が特色です。黒塗り下見板張りの外壁には石打棚・石落・狭間が数多く設置され、装飾のための破風がないことも実戦的な特徴です。一方で、その美しい姿から「千鳥城」の別名で親しまれ、姫路城の白鷺城に対する山陰の名城として知られています。最上階は望楼式になっており、松江市街地や宍道湖を360度見渡すことができます。

4. 堀尾氏の功績と城下町の形成

堀尾吉晴は豊臣秀吉に仕え、豊臣家三老中の一人として活躍した戦国武将でした。広瀬の月山富田城から松江に移り、近代戦に適した新しい城と城下町を創造しました。松江城の堀は防衛機能だけでなく、水運や排水の機能も持っており、水の都松江の基盤を築きました。東西約400m、南北約700mの敷地に、周囲に幅20~30mの内堀をめぐらした壮大な城郭は、現在でもその面影を色濃く残しています。

5. 松平不昧公と茶の湯文化

松平氏の中でも特に有名なのが7代藩主松平治郷(不昧公)で、政治手腕だけでなく茶の道にも通じ、茶道石州流不昧派の元祖となりました。不昧公の茶の湯文化は現在でも松江に根付いており、日本三大菓子処の一つとして数えられる松江の和菓子文化の礎を築きました。城内には不昧公ゆかりの茶室や、松江歴史館では抹茶と和菓子を味わうことができ、大名茶人の風雅な文化を体感できます。

6. 明治維新を乗り越えた奇跡の天守

明治維新後の廃城令により、松江城の建物はすべて取り壊される予定でしたが、天守は米100俵(180円)で売却されることになりました。しかし、地元の有志による保存運動により天守だけは買い戻され、解体を免れました。昭和25年から30年にかけて解体修理が行われ、山陰地方で唯一の現存天守として今日まで大切に保存されています。この市民の熱意により、貴重な文化遺産が後世に伝えられることになりました。

7. 100名城スタンプと多彩な御城印

松江城の100名城スタンプは天守内の受付窓口に設置されており、天守への登閣が必要です。御城印は複数の種類があり、ぶらっと松江観光案内所で600円で販売されているほか、市内7箇所に設置された「武者のしゃべる自動販売機」でも購入できます。自動販売機では購入時に武者がしゃべり出すユニークな仕組みで、通常の御城印以外にも御将印、怪談印など様々な種類が販売されています。

8. 復元された櫓群と城郭の見どころ

松江城では2001年に二の丸の太鼓櫓・中櫓・南櫓が復元され、往年の姿を取り戻しつつあります。石垣は「ごぼう積み」「野面積み」と呼ばれる工法で構築され、400年を経てもなお揺るがない見事なものです。本丸の周囲には6基の二重櫓を配置し多門櫓で結ばれ、防衛機能は非常に高い構造となっています。城内には1階の柱にハートマークの木目や、石垣にハート形に見える石があるなど、楽しい発見もあります。

9. 堀川遊覧船と城下町散策

松江城を取り囲む堀川では、築城時に作られた堀を約50分かけてゆっくりと遊覧する「ぐるっと松江堀川めぐり」が楽しめます。川面から城下町の風情を感じることができ、松江城の美しい姿を様々な角度から眺められます。堀端には武家屋敷や小泉八雲旧居、松江歴史館などが点在し、城下町散策を楽しむことができます。塩見縄手は日本の道100選にも選ばれた美しい武家屋敷街として知られています。

10. 松江城天守国宝10周年と未来への継承

2025年7月8日で松江城天守の国宝指定から10周年を迎えるにあたり、様々な記念イベントや企画が計画されています。春の桜、夏の新緑、秋の紅葉、冬の雪景色と四季の彩りに黒い天守閣がよく映え、季節ごとの景色の移り変わりを求めて多くの人で賑わいます。夜間ライトアップでは夕日をイメージしたライティングから徐々に月光へと変わる美しい演出が施され、昼夜を問わず松江城の魅力を堪能できます。

📍 アクセスマップ

🎫 御城印情報

御城印画像
価格 600円(通常版)※自動販売機では550円~650円
販売場所 ①ぶらっと松江観光案内所
②武者のしゃべる自動販売機(市内7箇所)

🏯 スタンプ情報

スタンプ画像
設置場所 松江城天守内受付窓口

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