28.小諸城
日本100名城基本情報
住所 | 長野県小諸市丁311 |
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電話 | 0267-22-0296(懐古園事務所) |
築城年 | 1487年(長享元年)/1554年(天文23年)完成 |
営業情報
開館時間 | 9:00-17:00(冬季9:00-16:30) |
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入場料 | 懐古園共通券500円、小・中学生200円 |
休館日 | 12月~3月中旬は水曜日、年末年始(12/29~1/3) |
1. 山本勘助が築いた戦略的要衝
小諸城は長享元年(1487年)に大井光忠によって築城が開始され、天文23年(1554年)に武田信玄の命で山本勘助らが改修して現在の縄張りが完成しました。信濃侵攻の拠点として整備された小諸城は、武田氏の東信州経営の中核を担う重要な城郭でした。
2. 日本唯一の「穴城」
小諸城最大の特徴は、城郭が城下町よりも低い位置にある日本唯一の「穴城(あなじろ)」であることです。千曲川による河岸段丘と浅間山の噴火でできた田切地形を巧みに活用し、天然の要害として機能していました。この独特な立地は全国でも例がない珍しい城郭構造です。
3. 仙石秀久による城郭完成
武田氏滅亡後、豊臣秀吉の配下となった仙石秀久が小諸城主となり、天正18年(1590年)頃に現在の規模に整備しました。石垣の構築や三重天守の建設など、近世城郭として完成させたのは仙石秀久の功績です。桐紋の金箔瓦が使用された格式高い城でした。
4. 現存する重要文化財
小諸城には江戸時代から残る貴重な現存建造物があります。三の門と大手門はともに国の重要文化財に指定されており、三の門の「懐古園」の扁額は徳川宗家16代徳川家達の筆によるものです。これらの門は400年以上の歴史を物語る貴重な遺構です。
5. 苔むした石垣の美観
小諸城の石垣は野面積みで築かれ、長い年月を経て苔に覆われた風情ある姿が特徴的です。二の丸の壮大な石垣や本丸周辺の石垣群は、古城の雰囲気を色濃く残しています。この苔むした石垣と四季の風景が調和した美しさは、多くの文人墨客に愛されてきました。
6. 島崎藤村ゆかりの文学の地
小諸城址懐古園は、文豪島崎藤村が教師として過ごした地として知られています。「小諸なる古城のほとり雲白く遊子悲しむ」の詩で始まる「千曲川旅情の歌」は、この地で詠まれた代表作です。園内には藤村記念館があり、小諸時代の足跡を辿ることができます。
7. 桜と紅葉の名所
懐古園は「日本さくら名所100選」に選定される桜の名所で、春には約500本の桜が咲き誇ります。秋には苔むした石垣に映える紅葉が美しく、「日本の歴史公園100選」にも選ばれています。四季を通じて美しい自然景観が楽しめる憩いの場として親しまれています。
8. 懐古園として生まれ変わった城址
明治4年(1871年)の廃藩置県後、小諸藩の元藩士らが城址を買い戻し、大正15年(1926年)に本多静六の設計により懐古園として整備されました。本丸跡には懐古神社が創建され、動物園や遊園地、美術館なども併設された総合公園として発展しています。
9. 多彩な文化施設群
懐古園内には藤村記念館のほか、小山敬三美術館、徴古館など多彩な文化施設があります。小山敬三美術館は小諸出身の画家の作品を展示し、建築家村野藤吾の設計による美しい建物も見どころです。これらの施設により、歴史と文化の両面から小諸の魅力を体感できます。
10. アクセス良好な観光拠点
小諸城址懐古園はJR小諸駅から徒歩3分の好立地にあり、上信越自動車道小諸ICからも約3kmとアクセスが良好です。県下最古の小諸市動物園や児童遊園地も併設され、家族連れからカップル、歴史愛好家まで幅広い層に愛される総合観光スポットとして発展しています。