35.金沢城
日本100名城基本情報
住所 | 石川県金沢市丸の内1-1 |
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電話 | 076-234-3800(石川県金沢城・兼六園管理事務所) |
築城年 | 1580年(天正8年) |
営業情報
開館時間 | 3/1~10/15:7:00~18:00、10/16~2月末日:8:00~17:00 |
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入場料 | 公園入場無料、菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓:大人320円、小人100円 |
休館日 | 年中無休(玉泉庵除く) |
1. 歴史と築城の経緯
金沢城の歴史は天文15年(1546年)、本願寺による金沢御堂(尾山御坊)の創建に始まる。天正8年(1580年)に柴田勝家がこの地を攻略し、佐久間盛政が初めて金沢城主となって城郭整備に着手した。賤ヶ岳の合戦後の天正11年(1583年)、前田利家が金沢城主となり本格的な城づくりが始まった。以後、約300年間にわたって百万石余を領した前田家歴代の居城として発展し続けた。
2. 前田氏による城郭整備
前田利家入城後、築城の名手である高山右近を招いて近世城郭への大改修が行われた。3代藩主利常による寛永8年(1631年)の大火後の造営で現在の城の縄張りがほぼ定まり、本丸、二の丸、三の丸、新丸、金谷出丸など総面積約30ヘクタールの巨大な城郭が完成した。当時は20もの櫓を持つ全国最大級の規模を誇り、加賀百万石の威容を示していた。
3. 明治以降の変遷
明治時代以降は兵部省、陸軍省の管轄を経て陸軍第九師団司令部が設置され、第二次世界大戦終戦まで陸軍の拠点として使用された。戦後は城内に国立金沢大学が置かれ、平成7年(1995年)まで本部キャンパスとして利用された。金沢大学移転後は石川県により都市公園として整備され、平成13年(2001年)に「金沢城公園」として一般開放され、450余年を経て市民の憩いの場となった。
4. 文化財指定と復元整備
金沢城跡は平成20年(2008年)に国の史跡に指定され、平成18年(2006年)に日本100名城に選定された。石川門、三十間長屋、鶴丸倉庫が国の重要文化財に指定されており、これらは度重なる火災から奇跡的に残された江戸時代の貴重な遺構である。近年は「菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓」「河北門」「鼠多門」などが古絵図や文献を基に忠実に復元され、往時の威容を取り戻している。
5. 建築の特色と石垣
金沢城の建築は、白漆喰の壁にせん瓦を施した海鼠壁と屋根に白い鉛瓦が葺かれた外観が特徴的である。鉛瓦は冬の積雪に耐えられるよう軽量化を図り、有事の際には鉄砲弾の原材料にも転用可能であった。城内の石垣は「石垣の博物館」と呼ばれるほど多様で、野面積み、打込接、切込接など様々な技法が時代を追って見学でき、築城技術の変遷を物語っている。
6. 主要な見どころ
金沢城の最大の見どころは重要文化財の石川門で、枡形門の典型的な構造を持つ搦手門である。菱櫓・五十間長屋・橋爪門続櫓は明治以降に建てられた木造城郭建築物としては全国最大規模を誇り、内部見学では釘やボルトを一本も使わない伝統工法の技術を体感できる。三十間長屋は武器庫として使用された建物で、現在も良好な状態で保存されている。
7. 玉泉院丸庭園と文化施設
2015年に再現された玉泉院丸庭園は、池と石垣によって独創的な景観を創り出した庭園で、かつて藩主の内庭として使用されていた。庭園内の玉泉庵では抹茶と季節の生菓子を味わうことができ、金沢の伝統文化を体験できる。園内には約550種の植物と約1,500種の生き物が生息し、都市部とは思えない豊かな自然環境が保たれている。
8. アクセスと観光情報
金沢城公園へは、JR金沢駅から北陸鉄道路線バス、城下まち金沢周遊バスで約15分、「兼六園下・金沢城」バス停下車徒歩約5分でアクセスできる。北陸自動車道金沢西IC・金沢東ICから約30分の立地で、隣接する兼六園との共通観光も可能である。毎週土曜日には21時まで夜間開園を実施し、ライトアップされた幻想的な城郭を楽しむことができる。
9. 日本100名城スタンプと御城印
日本100名城スタンプは石川門入口案内所と二の丸案内所の2か所に設置されており、開園時間中はいつでも押印可能である。御城印は石川門入口案内所で300円で販売されており、前田家の家紋がデザインされた美しい仕上がりとなっている。兼六園との共通利用券「兼六園+1利用券」を利用すると、周辺文化施設もお得に見学できる。
10. 現在の取り組みと未来展望
現在、金沢城では二の丸御殿の復元計画が進められており、2025年3月に着工予定で15年程度をかけて段階的に復元が行われる。石川県は「金沢城復元基本方針検討委員会」の報告に基づき、文化の大火以降に時代を統一した復元を目指している。金沢城公園は加賀の歴史と文化を伝える公園として整備が続けられ、世界遺産登録も視野に入れた文化遺産としての価値向上が図られている。
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