47.伊賀上野城
日本100名城基本情報
住所 | 三重県伊賀市上野丸之内106 |
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電話 | 0595-21-3148(公益財団法人伊賀文化産業協会) |
築城年 | 1585年(天正13年) |
営業情報
開館時間 | 9:00~17:00(入館は16:45まで) |
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入場料 | 大人(高校生以上)600円、小人(小中学生)300円 |
休館日 | 12月29日~12月31日 |
1. 伊賀上野城の基本情報
伊賀上野城は三重県伊賀市にある平山城で、1585年(天正13年)に筒井定次によって築城された歴史ある城です。1608年(慶長13年)に築城の名手として名高い藤堂高虎が大規模な改修を行い、現在の姿の基礎を築きました。白い三層の美しい城郭から「白鳳城」とも呼ばれ、日本100名城(47番)に選定されています。城跡は国の史跡名勝記念物、天守閣は伊賀市有形文化財に指定されています。
2. 歴史と築城の変遷
城は当初、豊臣秀吉が東からの脅威に備えて筒井定次に命じて築かせたもので、三重の天守を持つ城として建設されました。1608年に筒井定次が徳川家康に領地を没収された後、藤堂高虎が命を受けて西の豊臣方への防備を固めるため大改修を実施。五重天守も計画されましたが、1612年に暴風雨で建設途中の天守が倒壊し、その後再建されないまま城は未完成に終わりました。
3. 日本有数の高石垣
伊賀上野城最大の見どころは、日本有数の高さを誇る本丸西面の高石垣です。高さ約30メートルで、大阪城の高石垣に次ぐ日本第2位の高さを誇ります。藤堂高虎によって築かれたこの石垣は、長さ約368メートルにわたって直線的にそそり立ち、遠く大阪城への備えとしての威容を見せています。黒沢明監督の映画「影武者」のロケ地としても使用されました。
4. 昭和の木造復興天守
現在の三層三階の天守は、1935年(昭和10年)に川崎克氏の私財によって木造で建てられた復興天守です。正式には「伊賀文化産業城」と呼ばれ、戦国時代の雰囲気をそのまま残した木造建築として貴重な存在です。城内には武具・甲冑や藤堂家の遺品が展示され、最上階の天井には横山大観をはじめとする名士46点の色紙が飾られています。
5. 藤堂高虎の築城技術
藤堂高虎は徳川家康から絶大な信頼を受けた築城の名手で、伊賀上野城では本丸を西に拡張し、大阪への備えとして防御力を大幅に強化しました。城の東側には「蛇谷堀」と呼ばれる堀切を設けて防備を固め、関ヶ原の戦い後は徳川方の拠点として重要な役割を果たしました。現在の県道56号線がその堀切の跡にあたり、一部で遺構を確認できます。
6. 忍者の里の歴史文化
伊賀上野城は「忍者の里」として知られる伊賀地方の中心的な存在で、城域内には伊賀流忍者博物館もあります。城の北東には現存櫓「永倉」があり、忍者関連の展示も行われています。また、城下町には松尾芭蕉ゆかりの史跡も数多く点在し、伊賀の歴史文化を総合的に体感できる観光拠点となっています。
7. 現在の遺構と見どころ
現在の城跡では、本丸を中心とした内堀と石垣が築城当時の姿をとどめています。特に本丸西面の高石垣は圧巻で、水面からの高さは約24メートルに達します。城域内には城代屋敷の台所門跡も整備され、天守との美しい景観を楽しむことができます。また、三重県立上野高校内には現存する手当蔵(旧武器庫)も残されています。
8. 日本100名城スタンプ
日本100名城(47番)のスタンプは、伊賀上野城天守内の入場券売り場正面に設置されています。スタンプのデザインは城の代名詞でもある高石垣をモチーフにしており、伊賀上野城の特徴を表現したものとなっています。天守への入場が必要なため、開館時間内(9:00~16:45)での押印となります。
9. 御城印とアクセス情報
御城印は伊賀上野城のチケット販売窓口で200円で販売されています。アクセスは伊賀鉄道上野市駅から徒歩約8分、車の場合は名阪国道上野東ICから約5分。上野公園内に市営駐車場(約100台)が完備されています。三館共通券(伊賀上野城・忍者博物館・だんじり会館)もあり、効率的に観光を楽しめます。
10. 周辺の観光スポット
伊賀上野城周辺は上野公園として整備され、伊賀流忍者博物館、俳聖殿(松尾芭蕉記念館)、だんじり会館などの文化施設が充実しています。城下町には昔ながらの商店や風情ある町並みが残り、伊賀牛グルメや忍者パフェなどのご当地グルメも楽しめます。毎年秋には400年の伝統を持つ上野天神祭が開催され、百体以上の鬼行列と豪華絢爛なだんじりが城下町を練り歩きます。