37.一乗谷城
日本100名城基本情報
住所 | 福井県福井市城戸ノ内町 |
---|---|
電話 | 0776-41-2301(一乗谷朝倉氏遺跡資料館) |
築城年 | 1471年(文明3年) |
営業情報
開館時間 | 9:00~17:00 |
---|---|
入場料 | ●復原町並:一般210円 ●朝倉氏遺跡資料館:一般100円 |
休館日 | 年末年始 |
1. 一乗谷城の歴史と概要
一乗谷城は1471年(文明3年)に朝倉敏景によって築かれた戦国時代の山城で、福井県福井市の一乗谷にあります。越前国を支配した朝倉氏が5代103年間にわたって本拠地とし、戦国時代の城下町として栄えました。標高473mの一乗山の稜線上に本丸・二の丸・三の丸を配置した連郭式の山城で、山麓には朝倉氏の居館や武家屋敷、町屋が建ち並ぶ城下町が形成されていました。
2. 朝倉氏の栄華と「北ノ京」
応仁の乱で京都が荒廃すると、多くの公家や高僧、文化人が一乗谷に避難し、華やかな京文化が花開きました。最盛期には人口1万人を超える城下町となり、「北ノ京」とも呼ばれるほどの繁栄を誇りました。足利覚慶(後の足利義昭)も朝倉義景を頼って一時期この地に滞在しており、戦国時代の政治・文化の中心地として重要な役割を果たしていました。
3. 城の構造と防御システム
一乗谷城は一乗山の稜線上に築かれた山城で、千畳敷(本丸)、一の丸、二の丸、三の丸を配置し、曲輪や空堀、竪堀などの防御設備が整備されていました。山麓の城下町は上城戸と下城戸という2つの城門で仕切られ、南北約3kmの谷全体を要塞化した大規模な城郭都市でした。城戸の外にも阿波賀や前波といった町が形成され、足羽川の水運を活かした交易の拠点として機能していました。
4. 織田信長の侵攻と朝倉氏の滅亡
1570年から織田信長との戦いが始まり、姉川の戦いや一乗谷城の戦いなどで激しく争いました。1573年8月、信長の越前侵攻により朝倉義景は自害し、朝倉氏は滅亡。一乗谷は火を放たれて灰燼に帰し、103年間続いた朝倉氏の栄華は終わりを告げました。その後、越前国の中心は北ノ庄(現在の福井市)に移され、一乗谷城は廃城となりました。
5. 発掘調査と遺跡の発見
1967年から本格的な発掘調査が開始され、武家屋敷、寺院、町屋、庭園から道路に至るまで、戦国時代の町並みがほぼ完全な姿で発掘されました。1971年には278haが国の特別史跡に指定され、1991年には4つの庭園(諏訪館跡庭園、湯殿跡庭園、館跡庭園、南陽寺跡庭園)が国の特別名勝に指定されました。2007年には出土品2,343点が重要文化財に指定されています。
6. 復原町並と現在の見どころ
1995年に約200mにわたって戦国時代の町並みが原寸大で復元され、復原町並として公開されています。武家屋敷、町屋、道路に至るまで当時の姿を忠実に再現し、訪れる人々を戦国時代にタイムスリップさせてくれます。また、朝倉館跡では唐門などの建造物や複数の庭園跡が残っており、往時の華やかさを物語っています。
7. 一乗谷朝倉氏遺跡博物館
2022年10月に開館した福井県立一乗谷朝倉氏遺跡博物館では、国指定重要文化財を含む約800点の出土資料を展示しています。朝倉氏の歴史や一乗谷の文化、戦国時代の暮らしについて詳しく学ぶことができ、遺跡の価値と魅力を発信する拠点として多くの来館者を迎えています。地形模型や町並復原模型なども展示され、一乗谷の全体像を理解することができます。
8. 特別名勝の庭園群
一乗谷朝倉氏庭園として国の特別名勝に指定された4つの庭園は、戦国時代の庭園文化を今に伝える貴重な遺跡です。諏訪館跡庭園は朝倉義景館跡の背後にあり、湯殿跡庭園は朝倉氏の湯殿に付属した庭園、館跡庭園は朝倉氏館の庭園、南陽寺跡庭園は南陽寺の庭園跡です。これらの庭園からは朝倉氏の洗練された文化や美意識を感じることができます。
9. アクセスと観光情報
JR福井駅から越美北線で一乗谷駅下車、徒歩15分でアクセス可能です。また、福井駅東口から朝倉・永平寺ダイレクトバスで「復原町並」下車すぐの便利なアクセスもあります。車の場合は北陸自動車道福井ICから約10分です。100名城スタンプは一乗谷朝倉氏遺跡資料館や復原町並入口で押印でき、御城印は復原町並南入場口受付で300円で購入できます。
10. 歴史的価値と現代への影響
一乗谷城は「日本のポンペイ」とも呼ばれ、戦国時代の城下町全体が遺跡として残る世界的にも稀な文化遺産です。2019年には日本遺産「福井・勝山 石がたり」の構成文化財にも選ばれ、その歴史的価値が再評価されています。大河ドラマ「麒麟がくる」にも登場し、朝倉義景と明智光秀の関係性が注目を集めました。現在も継続的な調査・研究が行われ、新たな発見が期待される貴重な史跡として、日本の歴史文化の理解に重要な役割を果たしています。
アクセスマップ
関連リンク
散歩記録

御城印情報

スタンプ情報
