22.八王子城
日本100名城基本情報
住所 | 東京都八王子市元八王子町3-2664-2 |
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電話 | 042-663-2800(八王子城跡ガイダンス施設) |
築城年 | 1584年~1587年(天正12年~天正15年) |
営業情報
開館時間 | 9:00-17:00(ガイダンス施設) |
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入場料 | 無料 |
休館日 | 年末年始(12/29~1/3) |
1. 八王子城の概要と歴史的位置づけ
八王子城は東京都八王子市元八王子町にある山城で、日本100名城の22番に選定されています。小田原に本拠を置いた後北条氏三代目氏康の三男、北条氏照によって築城された関東屈指の山城です。標高約460mの深沢山(城山)を中心に築かれ、八王子権現を祀ったことから八王子城と呼ばれ、これが八王子の地名の由来となりました。現在は国指定史跡として保護され、史跡指定面積は約159ヘクタールに及ぶ広大な城跡として整備されています。
2. 築城の歴史と変遷
八王子城の築城時期は明確ではありませんが、天正年間(1573年~1592年)に築城が開始され、北条氏照が滝山城から移ったのは天正12年(1584年)から天正15年(1587年)の間とする説が有力です。氏照は武田信玄に攻められた滝山城よりもさらに堅固な山城を求めて八王子城の築城を開始しました。城は氏照の壮大な構想に基づいて設計されましたが、天正18年(1590年)の落城時にはまだ未完成の状態であったと考えられています。
3. 豊臣秀吉の小田原征伐と落城
天正18年(1590年)6月23日、豊臣秀吉の関東制圧の一環として、前田利家・上杉景勝軍を中心とした豊臣軍約1万5千人が八王子城を攻撃しました。城主の北条氏照は主力部隊を率いて小田原城に籠城していたため、八王子城には留守居の家臣らが残るのみでした。圧倒的な兵力差により、八王子城はわずか1日で落城し、多くの城兵や女性・子供が犠牲となりました。この八王子城の落城が決め手となって小田原城は開城し、北条氏は滅亡しました。
4. 城郭構造と縄張り
八王子城は大まかに三つの地区に分かれています。深沢山の山頂一帯には戦闘時の要塞となる「要害地区」があり、本丸を中心に小宮曲輪、松木曲輪、馬冷し、詰めの城などの曲輪が配置されています。山の南東麓には城主氏照の館があった「居館地区(御主殿地区)」があり、その周辺には家臣が住む「根小屋地区」が広がっていました。城は急峻な山の地形を巧みに利用して築かれ、堀切、竪堀、土塁などの防御施設が山全体に配置されています。
5. 現在残る遺構と復元建築物
八王子城跡には多くの遺構が良好に保存されています。居館地区では御主殿の礎石配置が確認でき、隣接する会所跡は床まで復元されています。御主殿曲輪への石段や城山川に架かる曳橋も復元され、見どころの一つとなっています。石垣は戦国時代当時の野面積みで復元されており、関東では珍しい石垣を持つ山城として貴重です。要害地区では本丸跡に「八王子城本丸址」の石碑が建てられ、各曲輪、堀切、井戸などの遺構が点在しています。
6. 八王子城跡ガイダンス施設
2012年に開館した八王子城跡ガイダンス施設は、八王子城の歴史や全体像を初めて訪れた方にもわかりやすく解説する拠点施設です。内部には展示解説スペースと最大72名が利用できる休憩・レクチャースペースがあり、八王子城の歴史や城主北条氏照について映像やパネルで紹介しています。日本100名城スタンプも施設内に設置されており、山城散策前の準備や学習に最適な施設として活用されています。
7. 国指定史跡としての価値
八王子城跡は戦国時代の山城としての状態を良好に残していることが評価され、国指定史跡に指定されています。江戸時代には徳川幕府の直轄地、明治以降は国有林となっていたため、あまり人の手が入らず、御主殿周辺の遺構は良好な形で残存しました。発掘調査により確認された石垣、虎口、古道などは当時のものをなるべく活用し、破損部分も当時の形に忠実な復元が行われています。
8. 日本100名城スタンプと御城印
八王子城の日本100名城スタンプは八王子城跡ガイダンス施設に設置されています。管理棟にはスタンプがないため注意が必要です。御城印は桑都日本遺産センター八王子博物館(サザンスカイタワー八王子3階)で300円で販売されており、JR八王子駅南口から駅直結、京王八王子駅から徒歩8分でアクセスできます。なお、御城印購入にはスタンプ押印後という条件があります。
9. アクセスと登山準備
八王子城へのアクセスは、JR高尾駅北口1番バスのりばから西東京バスで「霊園前・八王子城跡入口」下車、徒歩約15分です。土日祝日のみ「八王子城跡」行きの直通バスも運行されています。車では圏央道八王子西ICから約10分、中央道八王子IC第2出口から約40分です。本丸まで登る場合は登山装備が必須で、城跡入口から山頂まで約1時間の登山コースとなります。御主殿跡までは軽装で見学可能です。
10. 見学のポイントと年間行事
八王子城の見学は居館地区と要害地区に分けて計画することをお勧めします。居館地区の御主殿跡、曳橋、石垣は比較的軽装で見学でき、八王子城跡オフィシャルガイドによる無料案内も利用できます(事前申込制)。要害地区の本丸跡へは本格的な登山となりますが、山頂からの眺望は絶景です。毎年6月23日には「八王子城跡まつり」が開催され、砲術演武、武者演武、武将なりきり体験などの戦国時代を感じられるイベントが行われます。また「八王子城北条氏照祭り」も毎年10月に開催されています。
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