21.江戸城
日本100名城基本情報
住所 | 東京都千代田区千代田 |
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電話 | 03-3213-1111(宮内庁) |
築城年 | 1457年(長禄元年) |
営業情報
開館時間 | 9:00-17:00(皇居東御苑、時期により変動) |
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入場料 | 無料 |
休館日 | 月曜日・金曜日、年末年始、行事等による臨時休園あり |
1. 江戸城の概要と歴史的位置づけ
江戸城は東京都千代田区千代田にある平山城で、日本100名城の21番に選定されています。別名を千代田城、江城とも呼び、1457年(長禄元年)に太田道灌によって築城されました。徳川家康が関東移封後に大幅に拡張整備し、江戸幕府260年間の政治の中心として機能しました。現在は皇居として利用されており、本丸・二の丸・三の丸の一部が皇居東御苑として一般公開され、特別史跡江戸城跡として保護されています。
2. 築城の歴史と変遷
江戸城の前身は太田道灌が1457年(長禄元年)に麹町台地の東端に築いた平山城です。道灌が上杉定正に殺害された後は上杉氏の所有となり、1524年(大永4年)に後北条氏の支城となりました。1590年(天正18年)の豊臣秀吉による小田原征伐後、徳川家康が関東移封でこの地に入城し、江戸城を本格的な近世城郭として大規模な拡張工事を開始しました。家康没後も二代秀忠、三代家光の時代まで約40年間にわたって天下普請により築城工事が続けられました。
3. 天下普請による巨大城郭の完成
江戸城の最大の特徴は、全国の諸大名による「天下普請」で築かれたことです。加藤清正、福島正則、堀尾吉晴、加藤嘉明など、豊臣秀吉時代の築城技術を磨いた西国大名も召集され、石垣は西国大名が、堀は土木技術力に長けた東国大名が担当しました。1636年(寛永13年)の完成時には、東西約5.5km、南北約4km、周囲約14kmの城域を誇る日本最大の巨大城郭となり、外側に総構えを持つ壮大な規模を実現しました。
4. 江戸城の天守と建築物
江戸城の天守は徳川家康、秀忠、家光と三代にわたって三度築かれました。家康が1607年に建てた初代天守は大坂城をはるかに超える巨大なもので、豊臣氏の黒と金の天守に対して真っ白な巨大天守でした。しかし1657年(明暦3年)の明暦の大火で焼失した後は再建されず、以後は富士見櫓が天守の代用とされました。現在残る天守台は明暦の大火後に加賀藩前田綱紀によって再建されたもので、江戸城の象徴的な遺構として見学可能です。
5. 現在残る遺構と文化財
江戸城には数多くの貴重な遺構が残っています。現存する建築物として、富士見櫓(三重櫓)、伏見櫓、桜田巽櫓などの櫓類、桜田門、大手門、平川門、清水門、田安門などの城門があります。これらの多くが重要文化財に指定されています。また、切込接の美しい石垣、本丸・二の丸・三の丸の郭、松の大廊下跡、大奥跡など、江戸時代の政治の舞台となった場所の多くが良好に保存されています。
6. 皇居東御苑の見どころ
皇居東御苑は旧江戸城の本丸・二の丸・三の丸の一部を皇居附属庭園として整備したもので、1968年から一般公開されています。園内では天守台、富士見櫓、同心番所、大番所、百人番所などの江戸城の中核部分を見学できます。また、二の丸庭園では四季折々の植物を楽しむことができ、特に梅、桜、菖蒲、紅葉の季節には多くの見学者が訪れます。入園は無料で、大手門、平川門、北桔橋門からアクセス可能です。
7. 江戸城と江戸幕府政治
江戸城は260年間にわたり江戸幕府の政庁として機能し、15代の徳川将軍とその家臣団が政務を行う場所でした。将軍は江戸城内に住み、将軍の家族女性らが住む大奥も設けられました。老中や若年寄などは月番制で江戸城周辺の屋敷から日々登城し、本丸御殿では様々な政務が執り行われました。松の大廊下での浅野内匠頭による吉良上野介襲撃事件(忠臣蔵)など、日本史上重要な出来事の舞台ともなりました。
8. 日本100名城スタンプと御城印
江戸城の日本100名城スタンプは楠公休憩所、和田倉休憩所、北の丸休憩所の3箇所に設置されています。楠公休憩所は年末年始、北の丸公園管理事務所は土日祝日が休業となります。御城印は「江戸城天守を再建する会」のイベント時に不定期で販売されており、太田道灌の子孫である太田資暁氏による墨書きで、普通紙300円、和紙700円で販売されています。関東では最も入手困難な御城印として知られています。
9. アクセスと見学方法
江戸城(皇居東御苑)へは、JR東京駅または地下鉄大手町駅から徒歩約5分で大手門にアクセスできます。東京駅丸の内中央口から皇居方面に向かうのが最もわかりやすいルートです。見学は皇居東御苑(無料)、皇居参観(事前申込制)、皇居外苑(自由散策)の3つの方法があります。皇居東御苑は入園無料で、大手門、平川門、北桔橋門の3つの入口から入園でき、退園時には入園票を返却します。
10. 見学のポイントと周辺観光
江戸城の見学には半日から1日程度を要します。皇居東御苑では天守台からの眺望、富士見櫓、大手門、番所などを順に見学し、江戸時代の政治の中心地だった雰囲気を感じることができます。周辺には東京駅、丸の内、大手町、日比谷、銀座など東京の中心部が広がり、皇居外苑では桜田門、二重橋、皇居正門石橋などの外観を見学できます。春の桜、秋の紅葉の季節は特に美しく、都心にありながら豊かな自然を満喫できる貴重な空間として親しまれています。
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