24.武田氏館(躑躅ヶ崎館)
日本100名城基本情報
住所 | 山梨県甲府市古府中町2611 |
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電話 | 055-252-2609(武田神社) |
築城年 | 1519年(永正16年) |
営業情報
開館時間 | 9:00-17:00(信玄ミュージアム:入館は16:30まで) |
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入場料 | ●無料(武田神社) ●信玄ミュージアム:一般300円、高校生以下無料 |
休館日 | ●無休(武田神社) ●信玄ミュージアム:火曜日、年末年始 |
1. 武田氏館の概要・見どころ
武田氏館は、戦国時代を代表する武将「武田信玄」の居館で、当時は「躑躅ヶ崎館」(つつじがさきのやかた)と呼ばれていました。1519年に武田信玄の父、信虎が築いた武田氏の居館で、信虎・信玄・勝頼の武田氏三代が60年余りにわたって居住し、甲斐国統治の政治的中心地として機能しました。現在は跡地に武田神社が建てられ、武田信玄を御祭神として多くの崇敬を集めています。
2. 歴史・沿革
1416年の上杉禅秀の乱以降、甲斐国では国人領主の台頭や後継者争いなどが巻き起こり、混乱が続いていました。1519年(永正16年)、甲斐源氏の流れを汲む18代当主信虎が甲斐を統一し、居宅を石和から躑躅ヶ崎に移して館を築いたことに始まります。翌年には背後の山上に籠城するための詰城、要害山城を築いています。天正9年(1581年)まで信虎、信玄、勝頼がその本拠としました。
3. 築城・構造の特徴
躑躅ヶ崎館が築かれた相川扇状地は、三方を山に囲まれ、東西を川に挟まれた天然の要害で「躑躅ヶ崎」の名で知られていました。四方を水掘りと土塁で固め、周囲に曲輪を配置し、それを水掘りや空掘りでつなぎ防備を固めています。方形をなす主郭は中曲輪と東曲輪で構成されており、軍事的機能は極めて簡素で、城郭としてよりも政庁の側面が強い建物でした。
4. 武田氏三代の治世
信虎は室町幕府の将軍足利義晴と通じ、甲府の都市計画も京都の条坊を基本にしていることが指摘されます。発掘調査によれば、当初の居館は将軍邸である花の御所と同様の方形居館であり、建物配置や名称にも将軍邸の影響が見られます。信玄は21歳で国守となって以来30年余、諸戦に連戦連勝を重ねるのみならず、領国の経営に心血を注ぎ、特に治水工事、農業・商業の隆興に力を入れました。
5. 武田氏滅亡と館の変遷
武田勝頼の代になり長篠の戦いで織田、徳川連合軍に敗れると、織田軍の侵攻を受け新府城を新たに築き、1582年には武田氏館から本拠地を移しました。武田氏が滅亡した後にも川尻氏や徳川氏が躑躅ヶ崎館を利用しますが、1590年に甲府城が築かれると廃城となりました。その後、地元の人々はその後も武田氏への崇敬を持ち続け、武田氏館跡を「古城」と呼んで保護しました。
6. 武田神社の創建
1915年(大正4年)、大正天皇の即位記念に武田信玄に従三位が追贈されたのを契機に、1916年(大正5年)には山梨県知事を総裁とする「武田神社奉建会」が設立されます。1919年(大正8年)には社殿が竣工し、信玄の命日にあたる4月12日には初の例祭が行われました。以降、武田信玄は神としても崇められ、同時に武田氏館跡にある遺構の保護も積極的に行われるようになりました。
7. 現在の施設・見学ポイント
現在主郭には武田信玄をご祭神とした武田神社が建立され、宝物殿には武田家ゆかりの品が展示されています。境内には当時をしのばせる堀や石垣が残り、今も御神水が湧き出でる「姫の井戸」や、金運を招くと伝わる「三葉の松」などはパワースポットとしても人気を集めています。拝殿の右奥にある「宝物殿」には、武田家に伝わる鎧や太刀などが展示され、甲斐武田氏一族の繁栄ぶりを今に伝えます。
8. 武田氏館跡歴史館(信玄ミュージアム)
武田神社に隣接する「甲府市武田氏館跡歴史館(信玄ミュージアム)」では、武田氏館跡に関わる歴史や史跡の見どころも紹介されています。開館時間は9:00~17:00(入館は16:30まで)、入館料は一般300円・高校生以下無料、休館日は火曜日(祝日の場合は翌日)・12月29日~31日となっています。武田氏館の御城印は信玄ミュージアムの有料展示を見学すると頂くことができます。
9. 日本100名城・御城印について
2006年(平成18年)には、財団法人「日本城郭協会」が定めた「日本100名城」(24番)にも選定されました。日本100名城のスタンプは武田神社宝物殿、武田神社神符授与所に設置されています。御城印は武田神社神符授与所、信玄ミュージアムで販売されており、価格は300円です。現在は、武田氏三代の遺構が見られる史跡と武田信玄を祀る神社、2つの顔を併せ持った観光名所として、広く親しまれています。
10. アクセス・観光情報
JR甲府駅北口から山梨交通バスに乗って約8分、「武田神社」バス停で下車して徒歩約2分のところにあります。車でアクセスする場合は、中央自動車道の甲府昭和インターから国道20号線や山梨県道7号線などを経由して約25分です。武田氏館で行われるイベントは、信玄の命日である4月12日の「武田二十四将騎馬行列」が有名で、信玄公祭りと一緒に行われ、信玄を支えた24人の名将に扮した人々が、甲冑を身に付けて馬にまたがりながら市内を進みます。
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