18.鉢形城
日本100名城基本情報
住所 | 埼玉県大里郡寄居町大字鉢形2496-2 |
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電話 | 048-586-0315(鉢形城歴史館) |
築城年 | 1476年(文明8年) |
営業情報
開館時間 | 1476年(文明8年) |
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入場料 | 一般200円、高校生・大学生100円、小・中学生50円 |
休館日 | 月曜日(祝日の場合は翌日)、祝日の翌日、年末年始 |
1. 鉢形城の概要と歴史的位置づけ
鉢形城は埼玉県大里郡寄居町にある戦国時代の代表的な平山城で、日本100名城の一つに選定されています。荒川と深沢川が合流する断崖絶壁上の天然の要害に築かれ、関東屈指の規模を誇る城郭として知られています。現在は国指定史跡として保護され、鉢形城公園として整備されており、園内の鉢形城歴史館では地域の歴史と文化を学ぶことができます。
2. 築城の歴史と変遷
鉢形城は1476年(文明8年)、関東管領山内上杉氏の家宰である長尾景春によって築城されました。その後、1564年(永禄7年)に小田原城主北条氏康の四男・北条氏邦が藤田重利の娘と結婚して鉢形城主となり、大規模な整備・拡充を行いました。北条氏邦は城郭を現在の規模まで拡張し、後北条氏の北関東支配の重要拠点として整備しました。
3. 戦国時代の攻防戦
鉢形城は「関東の名城」として、数々の名将による攻撃を退けました。武田信玄も上杉謙信も落とすことができなかった難攻不落の城として有名で、その堅固さは戦国時代を通じて証明されました。1590年(天正18年)の豊臣秀吉による小田原征伐では、前田利家・上杉景勝らの北国軍約3万5千人に包囲されましたが、北条氏邦率いる3千の兵が1ヶ月余りの籠城戦を展開し、最終的に城兵の助命を条件に開城しました。
4. 城郭構造と縄張り
鉢形城は連郭式平山城の構造を持ち、本丸、二の丸、三の丸が一列に配置されています。城郭の総面積は約24ヘクタールに及び、東西約3.1km、南北約3.8kmという国内最大規模の縄張りを誇ります。荒川と深沢川の自然の地形を巧みに利用し、断崖を背にした防御性の高い設計となっています。大手側には外曲輪、三の曲輪、二の曲輪、本曲輪、笹曲輪が順に配置され、各曲輪は堀と土塁で厳重に区画されています。
5. 現在残る遺構と復元建築物
現在の鉢形城跡には土塁、空堀、曲輪などの遺構が良好に保存されています。発掘調査の成果をもとに、三の曲輪には戦国時代の築城技術を示す石積み土塁が復元されており、当時の構造を実感することができます。また、庭園遺構や四脚門跡も確認されており、鉢形城が単なる軍事施設ではなく、政治・文化の中心地でもあったことが窺えます。園内には町天然記念物に指定されている「鉢形城の桜・エドヒガン」(愛称:氏邦桜)があり、春には美しい花を咲かせます。
6. 鉢形城歴史館の見どころ
2004年10月に開館した鉢形城歴史館は、国指定史跡鉢形城跡のガイダンス施設として機能しています。常設展示室では、鉢形城の歴史や構造を映像やジオラマを用いてわかりやすく紹介しており、企画展示室では季節ごとに様々なテーマの展示が行われています。歴史館では鉢形城に関する詳細な資料や出土品を見ることができ、戦国時代の関東の歴史を深く理解することができます。
7. 文化財指定と学術的価値
鉢形城跡は1932年(昭和7年)4月19日に国の史跡に指定され、2006年(平成18年)には日本100名城(18番)に選定されました。関東地方に所在する戦国時代の城郭としては比較的きれいに残された城の一つとされ、遺構の残存状況が極めて良好な考古学的資料として高く評価されています。また、関東地方の戦国時代の状況を示す豊富な文献資料も残されており、学術的価値も非常に高い史跡です。
8. 日本100名城スタンプと御城印
鉢形城では日本100名城のスタンプを鉢形城歴史館受付で押印できます(開館時間:9:30-16:30)。閉館時は駐車場正面入口右側に設置された郵便ポスト内にスタンプが置かれています。御城印は世界ユネスコ遺産に登録された細川紙を使用した特別なもので、後北条氏の家紋「三つ鱗」、北条氏邦の印判「翕邦挹福」、櫓門のイラストがあしらわれたデザインとなっており、300円で販売されています。
9. アクセスと周辺観光
鉢形城へは、JR八高線・秩父鉄道線・東武東上線「寄居駅」から徒歩約25分、またはイーグルバス和紙の里行きで「鉢形城歴史館前」下車徒歩約5分でアクセスできます。車では関越自動車道花園ICから国道140号バイパスで約15分です。無料駐車場が完備されており、鉢形城歴史館と鉢形城址の両方に駐車場があります。周辺には円良田湖、風布みかん山、寄居駅前の観光案内所などがあり、自然と歴史を満喫できるエリアです。
10. 見学のポイントと楽しみ方
鉢形城の見学には1-2時間程度を要します。まず鉢形城歴史館で基本知識を学んでから城跡を散策することをお勧めします。本丸跡からの荒川を見下ろす景色は絶景で、天然の要害としての立地の素晴らしさを実感できます。三の曲輪の復元石積み土塁や深い堀切など、戦国時代の築城技術の高さを間近で見ることができます。毎年5月中旬には「寄居北條まつり」が開催され、武者行列や攻防戦の再現が行われるなど、一年を通じて様々なイベントが楽しめます。
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